超々臨界圧(USC)は,主蒸気圧力を臨界圧(約22.1 MPa)を超える超臨界圧とし,さらに主蒸気温度を一般に約593 ℃以上に高めた蒸気条件で,貫流ボイラで実現される。熱効率が高いので,USCボイラを採用していない(亜臨界圧・超臨界圧の)石炭火力発電を段階的に廃止すれば,同じ発電量に対するCO₂排出量が減る。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問1(3)
次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,[(1)]を監視する必要がある。これは,[(1)]が大きくなると排ガス損失が増加するためである。また,復水器の[(2)]が下がると,蒸気タービンの熱落差が小さくなって熱効率が低下するため,適正な[(2)]に維持する必要がある。
超々臨界圧[(3)]が採用されていない石炭火力発電を段階的に廃止していくことも,CO₂排出量の削減につながる。
CO₂回収・貯留技術は,排出されたCO₂を分離回収したのち圧縮して,地下[(4)]の岩層に圧入して閉じ込めることで,大気中へのCO₂排出を抑えるものである。さらに,回収したCO₂を有効活用することも含めた取り組みは[(5)]と呼ばれている。
空欄(3)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
よって,空欄(3)の正答は(チ)「ボイラ」である。
各選択肢の解説
- (イ)
過剰空気率
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「過剰空気率」はボイラの燃焼空気の過剰分の割合を表す量で,空欄(1)の正答である。
- (ロ)
出口給水流量
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「出口給水流量」はボイラ給水系の流量である。
- (ハ)
タービン
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。タービンは発生した蒸気を受けて回転力に変える機器であり,蒸気を発生させる設備ではない。
- (ニ)
ホットウェルレベル
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「ホットウェルレベル」は復水器下部にたまる復水の水位である。
- (ホ)
約10~30 m
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「約10~30 m」は地下の浅い深さを表す値である。
- (ヘ)
ドラムレベル
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「ドラムレベル」はドラム形ボイラの蒸気ドラムの水位である。
- (ト)
炉内圧力
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「炉内圧力」はボイラ火炉内の燃焼ガス側の圧力である。
- (チ)
ボイラ
正しい。超々臨界圧(USC)は,主蒸気圧力を臨界圧(約22.1 MPa)を超える超臨界圧とし,さらに主蒸気温度を一般に約593 ℃以上に高めた蒸気条件で,貫流ボイラで実現される。熱効率が高いので,USCボイラを採用していない(亜臨界圧・超臨界圧の)石炭火力発電を段階的に廃止すれば,同じ発電量に対するCO₂排出量が減る。
- (リ)
真空度
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「真空度」は復水器内の圧力の低さを表す量で,空欄(2)の正答である。
- (ヌ)
約100~300 m
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「約100~300 m」は地下の比較的浅い深さを表す値である。
- (ル)
MACC
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。MACCはLNG焚きの改良型コンバインドサイクル発電の方式名で,超々臨界圧の蒸気条件を採る設備ではない。
- (ヲ)
約1 000~3 000 m
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「約1 000~3 000 m」は地下深部の深さを表す値で,空欄(4)の正答である。
- (ワ)
IGCC
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。IGCCは石炭ガス化複合発電の方式名で,「超々臨界圧IGCC」という呼び方は成り立たない。
- (カ)
CCUS
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。「CCUS」はCO₂の回収・有効利用・貯留の取り組みの名称で,空欄(5)の正答である。
- (ヨ)
発電機
誤り。空欄(3)に入るのは,石炭を燃焼させて超々臨界圧の蒸気を発生させる設備の名称で,正答は「ボイラ」である。発電機は電気を発生する機器で,蒸気条件で呼び分ける設備ではない。
分野「電力」の学習ポイント
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- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
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