第57回 選択式 問1
労働基準法及び労働安全衛生法
2025年度・法令基準日 2025-04-11 / 1原問・5空欄
問題文
次の文中の空欄の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1労働基準法第114条は、Aは、同法第37条の規定に違反した使用者に対して、労働者の請求により、同条の規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額のBの支払を命ずることができる旨規定している。
2最高裁判所は、就業規則として定める給与規程における、出勤率が90%以上の従業員を賞与支給対象者とする旨の条項(以下本問において「本件90%条項」という。)の適用に関し、その基礎とする出勤した日数に産前産後休業の日数等を含めない旨の定めが労働基準法(平成9年法律第92号による改正前のもの)65条等に反するか等が問題となった事件において、次のように判示した。「労働基準法65条は、産前産後休業を定めているが、産前産後休業中の賃金については何らの定めを置いていないから、産前産後休業が有給であることまでも保障したものではないと解するのが相当である。〔…(略)…〕したがって、産前産後休業を取得し〔…(略)…〕た労働者は、その間就労していないのであるから、労使間に特段の合意がない限り、その不就労期間に対応する賃金請求権を有しておらず、当該不就労期間を出勤として取り扱うかどうかは原則として労使間の合意にゆだねられているというべきである。ところで、従業員の出勤率の低下防止等の観点から、出勤率の低い者につきある種の経済的利益を得られないこととする措置ないし制度を設けることは、一応の経済的合理性を有するものである。上告人の給与規程は、賞与の支給の詳細についてはその都度回覧にて知らせるものとし、回覧に具体的な賞与支給の詳細を定めることを委任しているから、本件各回覧文書〔本件90%条項の適用に関し、産前産後休業については、出勤率算定の基礎とする出勤すべき日数に算入し、出勤した日数には含めない旨を定めた文書〕は、給与規程と一体となり、本件90%条項等の内容を具体的に定めたものと解される。本件各回覧文書によって具体化された本件90%条項は、労働基準法65条で認められた産前産後休業を取る権利〔…(略)…〕に基づく不就労を含めて出勤率を算定するものであるが、上述のような労働基準法65条〔…(略)…〕の趣旨に照らすと、これにより上記権利等の行使を抑制し、ひいては労働基準法等がC場合に限り、公序に反するものとして無効となると解するのが相当である」。
3事業者は、労働安全衛生法第22条に基づき、健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないが、事業場における自主的な労働衛生管理活動の促進を図るためには、総括安全衛生管理者、産業医、衛生管理者、衛生推進者等の選任及び職務の励行、衛生委員会の設置及び運営等の労働衛生管理体制の確立を基本とした上で、作業環境管理、D及び健康管理並びに労働衛生教育の総合的な実施を図っていく必要がある。
4労働安全衛生法第42条は、「特定機械等以外の機械等で、別表第2に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、E、又は設置してはならない。」と定めている。
共通の語群(①〜⑳)
- ①慰謝料
- ②厚生労働大臣
- ③裁判所
- ④作業管理
- ⑤使用者に労働者の仕事と生活の調和にも配慮することを規定している趣旨を実質的に失わせるものと認められる
- ⑥上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる
- ⑦譲渡し、貸与し
- ⑧譲渡し、展示し
- ⑨生産管理
- ⑩遅延損害金
- ⑪同法等に違反する行為に罰則を設けている意味を没却させる
- ⑫都道府県労働局長
- ⑬賠償金
- ⑭販売し、賃貸し
- ⑮販売し、販売のために展示し
- ⑯付加金
- ⑰有害物管理
- ⑱労働基準監督署長
- ⑲労働時間管理
- ⑳労働条件は労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものとしている意味を没却させる
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空欄 A ③ 裁判所
付加金は、労働者の請求を受けて裁判所が支払を命じる制度である。行政官庁(労働基準監督署長等)が命じるものではない。未払の割増賃金等と同一額という点も合わせて整理する。
空欄 B ⑯ 付加金
37条違反の未払金と同一額を上乗せして支払わせる制裁的な金銭が付加金である。慰謝料・賠償金・遅延損害金とは性質が異なる。民法上の損害賠償とは別の労基法固有の制度と押さえる。
空欄 C ⑥ 上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものと認められる
厚生労働省の審議会資料は、東朋学園事件(最高裁平成15年12月4日判決)について、産休等の期間を出勤扱いにするかは原則として労使の合意に委ねられる一方、90%条項による賞与の全額不支給は、法が保障する権利の趣旨を実質的に失わせるほどの不利益であり公序に反すると整理している。本問の判旨では、権利行使を抑制してその保障を実質的に失わせるかが判断の要点となる。
空欄 D ④ 作業管理
労働衛生管理の基本は、作業環境管理・作業管理・健康管理の三管理に、労働衛生教育と総括管理を加えたものである。空欄は作業環境管理と健康管理の間に入る作業管理。生産管理は衛生管理の概念ではない。
空欄 E ⑦ 譲渡し、貸与し
規格・安全装置を具備しない機械等について、譲渡、貸与、設置が禁止される。「販売」「展示」は条文の語ではない。直後の「又は設置してはならない」との並びから、譲渡と貸与の組と判断する。
出典
全国社会保険労務士会連合会 試験センターの第57回公式問題・正答。原問の5空欄と語群番号を保持しています。文字間・改行・数字表記と空欄の表示を整え、解説は過去問AIが独自に作成しています。