第57回 選択式 問4
労務管理その他の労働に関する一般常識
2025年度・法令基準日 2025-04-11 / 1原問・5空欄
問題文
次の文中の空欄の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。なお、1については、総務省「統計からみた我が国の高齢者(統計トピックスNo.142)(令和6年9月15日)」が資料として引用する「労働力調査」(基本集計)による用語及び統計等を利用している。
1総務省「統計からみた我が国の高齢者(統計トピックスNo.142)(令和6年9月15日)」によれば、65歳以上の就業者を主な産業別にみると、「卸売業、小売業」が132万人と最も多く、次いで「A」が107万人で続いている。産業別に65歳以上の就業者を10年前と比較すると、「A」が63万人増加し、10年前の約2.4倍となった。ほとんどの主な産業で65歳以上の就業者が増加している一方で、「B」の65歳以上の就業者は10年前と比較して3万人減少している。なお、各産業の就業者に占める65歳以上の就業者の割合をみると、「B」が52.9%と最も高くなっている。
2労働施策総合推進法第30条の2第1項は、「事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、Cによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。」と定めている。
3最高裁判所は、使用者が労働組合に対し組合集会等のための従業員食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって不当労働行為に当たるか否かが問題となった事件において、次のように判示した。「組合結成通知を受けてからX守衛事件まで約9か月にわたり、上告人〔会社〕は、許可願の提出があれば業務に支障のない限り食堂の使用を許可していたというのであるが、そのことから直ちに上告人が組合に対し食堂の使用につき包括的に許諾をしていたものということはできず、その取扱いを変更することが許されなくなるものではない。一方、X守衛事件が起きた直後に上告人から会場使用許可願を却下されて以来、組合は、上告人所定の会場使用許可願用紙を勝手に書き変えた使用届を提出するだけで、上告人の許可なく食堂を使用するようになり、こうした無許可使用を上告人が食堂に施錠するようになるまで5か月近く続けていたのであって、これが上告人のD権を無視するものであり、正当な組合活動に当たらないことはいうまでもない。上告人は、組合に対し、所定の会場使用許可願を提出すること、上部団体の役員以外の外部者の入場は総務部長の許可を得ること、排他的使用をしないことを条件に、支障のない限り、組合大会開催のため食堂の使用を許可することを提案しているのであって、このような提案は、D者の立場からは合理的理由のあるものであり、許可する集会の範囲が限定的であるとしても、組合の拒否を見越して形式的な提案をしたにすぎないということはできない。また、上告人は組合に対し使用を拒む正当な理由がない限り食堂を使用させることとし、外部者の入場は制限すべきではないなどとする組合からの提案も、上告人のD権を過少に評価し、あたかも組合に食堂の利用権限があることを前提とするかのような提案であって、組合による無許可使用の繰り返しの事実を併せ考えるならば、上告人のD権を無視した要求であると上告人が受け止めたことは無理からぬところである。そうすると、上告人が、X守衛事件を契機として、従前の取扱いを変更し、その後、食堂使用についてD権を前提とした合理的な準則を定立しようとして、上告人のD権を無視する組合に対し使用を拒否し、使用条件について合意が成立しない結果、自己の見解を維持する組合に対し食堂を使用させない状態が続いたことも、やむを得ないものというべきである。以上によれば、本件で問題となっている施設が食堂であって、組合がそれを使用することによる上告人の業務上の支障が一般的に大きいとはいえないこと、組合事務所の貸与を受けていないことから食堂の使用を認められないと企業内での組合活動が困難となること、上告人が労働委員会の勧告を拒否したことなどの事情を考慮してもなお、条件が折り合わないまま、上告人が組合又はその組合員に対し食堂の使用を許諾しない状態が続いていることをもって、上告人の権利の濫用であると認めるべき特段の事情があるとはいえず、Eであるとも断じ得ないから、上告人の食堂使用の拒否が不当労働行為に当たるということはできない。」
共通の語群(①〜⑳)
- ①いたずらに組合秩序を混乱させようとしたもの
- ②医療、福祉
- ③運輸業、郵便業
- ④管理監督
- ⑤客観的に合理的な理由を欠いたもの
- ⑥業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
- ⑦組合に対する報復行為を行ったもの
- ⑧組合の施設利用権限を不利益に変更したもの
- ⑨組合の弱体化を図ろうとしたもの
- ⑩建設業
- ⑪指揮命令
- ⑫施設管理
- ⑬宿泊業、飲食サービス業
- ⑭生活関連サービス業、娯楽業
- ⑮製造業
- ⑯通常甘受すべき程度を著しく超えるもの
- ⑰農業、林業
- ⑱不動産業、物品賃貸業
- ⑲利用許諾
- ⑳労働関係の当事者としての権利を濫用するもの
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空欄 A ② 医療、福祉
統計トピックスNo.142の2023年平均では、65歳以上の就業者数は卸売業、小売業132万人に次いで医療、福祉107万人。医療、福祉は2013年より63万人増え、約2.4倍となっている。指定原表の産業名と数値を対応させる。
空欄 B ⑰ 農業、林業
同資料の産業別比較では、農業、林業の65歳以上就業者は99万人で、2013年から3万人減少している。一方、その産業の就業者に占める65歳以上の割合は52.9%で最も高い。人数の増減と産業内の割合を区別する。
空欄 C ⑥ 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
職場のパワハラの定義要素は、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、就業環境が害されること。「通常甘受すべき程度」は別の判断枠組みの語。
空欄 D ⑫ 施設管理
判旨は、無許可で食堂を使用した組合の行為が、使用者の施設管理権を無視するもので正当な組合活動に当たらないと述べる。会社の提案も施設管理者の立場からは合理的、という論理が一貫している。
空欄 E ⑨ 組合の弱体化を図ろうとしたもの
結論部分は、権利濫用の特段の事情がなく、組合の弱体化を図ろうとしたものとも断じ得ないので不当労働行為に当たらないとする。弱体化の意図は支配介入の判断に対応する。
出典
全国社会保険労務士会連合会 試験センターの第57回公式問題・正答。原問の5空欄と語群番号を保持しています。文字間・改行・数字表記と空欄の表示を整え、解説は過去問AIが独自に作成しています。