第58回 選択式 問1
労働基準法及び労働安全衛生法
2026年度・法令基準日 2026-04-10 / 1原問・5空欄
問題文
次の文中の空欄の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1労働基準法第22条第1項では、「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、Aこれを交付しなければならない。」と規定されている。
2最高裁判所は、上告人である外国人の技能実習に係る監理団体に雇用され、実習実施者の指導員として勤務していた被上告人が従事した業務につき、労働基準法第38条の2の適用の可否が問題となった事件において、次のように判示した。「⑴前記事実関係等によれば、本件業務は、実習実施者に対する訪問指導のほか、技能実習生の送迎、生活指導や急なトラブルの際の通訳等、多岐にわたるものであった。また、被上告人は、本件業務に関し、訪問の予約を行うなどして自ら具体的なスケジュールを管理しており、所定の休憩時間とは異なる時間に休憩をとることや自らの判断により直行直帰することも許されていたものといえ、随時具体的に指示を受けたり報告をしたりすることもなかったものである。このような事情の下で、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等を考慮すれば、被上告人が担当する実習実施者や1か月当たりの訪問指導の頻度等が定まっていたとしても、上告人において、被上告人の事業場外における勤務の状況を具体的に把握することが容易であったと直ちにはいい難い。⑵しかるところ、原審は、被上告人が上告人に提出していた業務日報に関し、①その記載内容につき実習実施者等への確認が可能であること、②上告人自身が業務日報の正確性を前提に時間外労働の時間を算定して残業手当を支払う場合もあったことを指摘した上で、その正確性が担保されていたなどと評価し、もって本件業務につき本件規定〔労働基準法第38条の2第1項〕の適用を否定したものである。しかしながら、上記①については、単に業務の相手方に対して問い合わせるなどの方法を採り得ることを一般的に指摘するものにすぎず、実習実施者等に確認するという方法の現実的な可能性や実効性等は、具体的には明らかでない。上記②についても、上告人は、本件規定を適用せず残業手当を支払ったのは、業務日報の記載のみによらずに被上告人の労働時間を把握し得た場合に限られる旨主張しており、この主張の当否を検討しなければ上告人が業務日報の正確性を前提としていたともいえない上、上告人が一定の場合に残業手当を支払っていた事実のみをもって、業務日報の正確性が客観的に担保されていたなどと評価することができるものでもない。⑶以上によれば、原審は、業務日報の正確性の担保に関する具体的な事情を十分に検討することなく、業務日報による報告のみを重視して、本件業務につき本件規定にいう「Bとき」に当たるとはいえないとしたものであり、このような原審の判断には、本件規定の解釈適用を誤った違法があるというべきである。」
3労働基準法第81条は、「第75条の規定によつて補償を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金のCを行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。」と定めている。
4総括安全衛生管理者は、労働安全衛生法施行令第2条に定める「製造業(物の加工業を含む。)」にあっては、常時D以上の労働者を使用する事業場に選任義務が課せられている。また、総括安全衛生管理者の選任は、総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から14日以内に行わなければならない。
5労働安全衛生法第24条は、「事業者は、労働者のEから生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。」と定めている。
共通の語群(①〜⑳)
- ①7日以内に
- ②14日以内に
- ③1か月以内に
- ④100人
- ⑤300人
- ⑥500人
- ⑦1,000人
- ⑧1,000日分の打切補償
- ⑨1,000日分の障害補償
- ⑩1,200日分の打切補償
- ⑪1,200日分の障害補償
- ⑫一時的又は突発的に時間外労働を行わせる必要がある
- ⑬業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする
- ⑭作業規律違反
- ⑮作業行動
- ⑯作業能力の不足
- ⑰始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした
- ⑱身体機能の低下
- ⑲遅滞なく
- ⑳労働時間を算定し難い
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空欄 A ⑲ 遅滞なく
退職時証明書は、労働者の請求があれば使用者が遅滞なく交付する。日数を限定する語句(7日以内等)はない。金品返還の期限と混同しないよう注意する。
空欄 B ⑳ 労働時間を算定し難い
最高裁令和6年4月16日判決(令和5年〔受〕365号)は、業務日報による報告だけを重視し、その正確性が担保される具体的事情を十分に検討せずに「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとした原審判断を破棄した。勤務状況を把握できるかを具体的に検討させるための差戻しであり、最高裁が本件へのみなし制の適用を最終確定したという意味ではない。
空欄 C ⑩ 1,200日分の打切補償
療養開始後3年を経過しても傷病が治らない場合、使用者は平均賃金1,200日分の打切補償を行えば以後の補償義務を免れる。障害補償と打切補償の混同に注意。
空欄 D ⑤ 300人
出題基準日(2026年4月10日)の労働安全衛生法施行令2条2号は、製造業(物の加工業を含む。)の選任基準を常時300人以上と定める。同条1号の林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業は100人以上、3号のその他の業種は1,000人以上であり、製造業は300人の区分に入る。
空欄 E ⑮ 作業行動
安衛法24条は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止する措置を事業者に求める。作業能力の不足や身体機能の低下といった個人属性ではなく、行動に着目した規定。
出典
全国社会保険労務士会連合会 試験センターの第58回公式問題・正答。原問の5空欄と語群番号を保持しています。文字間・改行・数字表記と空欄の表示を整え、解説は過去問AIが独自に作成しています。