令和7年度 春期 ITストラテジスト 午後問題
練習用オリジナル問題です
本ページの設問・題材・模範解答は、IPA 試験本番の出題傾向を模して作成した練習用オリジナル問題であり、 実際の試験で出題された問題ではありません。AI 採点機能の動作確認用としてご活用ください。 本番形式の学習には、実際の IPA 過去問(午前問題)をご利用ください。
⚠️ 練習用オリジナル問題です。本ページに掲載している午後問題は、IPA過去問の形式を模して作成した練習用オリジナル問題であり、実際の試験で出題された問題ではありません。
AI採点は目安です。本試験の採点とは異なる可能性があります。 採点結果は学習の参考程度にご利用ください。
生成AIの活用を組み込んだ事業戦略の策定について
設問ア
0 / 800 字あなたが携わった事業の概要と、生成AIを事業戦略に組み込む契機となった事業環境の変化について、800字以内で述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 冒頭2-3行で対象(業種/規模/自身の役割)を提示し、文脈を即座に把握できる構成にする
- 背景は3要素以上を挙げ、具体的な数値や事実を添える
- 設問イへの橋渡しとして、最終段落で次の論点に着地させる
- 「私は〜の立場で」と主語を明示し、当事者性を担保する
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
私は、中堅企業のIT戦略部門の責任者として、全社的なIT戦略の策定と推進を担っている。私が携わった事業は、多角的なサービスを提供するBtoB企業であり、顧客企業へのコンサルティング、システム開発、運用サポートを主軸としていた。特に、顧客のDX推進を支援する事業が成長を牽引していた。 近年、事業環境は急速に変化した。第一に、顧客企業のDXへの要求が高度化し、単なるシステム導入に留まらず、データ活用やAI導入によるビジネス変革の具体的な成果を求めるようになった。第二に、競合他社がAIを活用したサービスを次々と市場投入し、差別化が困難になりつつあった。特に、生成AIの登場は大きなインパクトを与えた。文章生成、要約、コード生成といった汎用的な機能が、社内業務の効率化だけでなく、顧客への提案内容の質向上や新たなサービス開発の可能性を秘めていることを認識した。 しかし、同時に生成AI特有のリスク(ハルシネーション、知的財産権侵害、情報漏洩リスク)も顕在化し、無秩序な導入は企業の信頼を損なう恐れがあった。このような状況下で、私は、生成AIを単なるツールとしてではなく、事業戦略の中核に組み込み、競争優位を確立しつつリスクを適切に管理する必要性を強く感じた。これが、生成AIを事業戦略に組み込む契機となった。
採点の観点
【A評価相当】 - 対象事業/プロジェクトの概要(規模/自身の立場)が具体的に記述されている - 背景・前提が複数の論点から立体的に分析されている - 設問イ・ウへの伏線として論点の構造化が為されている 【B評価相当】 - 概要は記載されているが規模感や立場が曖昧 - 背景の記述が単発的で構造化が弱い 【C評価相当(要改善)】 - どの組織でも当てはまる一般論 - 背景・前提が当該事業/プロジェクトに紐付いていない
設問イ
0 / 800〜1600 字設問アで述べた事業環境を踏まえて、あなたが策定した生成AIを組み込んだ事業戦略の内容と、策定上で重視した点を、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 全体像を冒頭で要約し、読み手に骨格を先に提示する(パラグラフ・ライティング)
- 「重視した点」は2〜3点に絞り、それぞれを独立した節として論述する
- 各重視点には『なぜそう判断したか』『代替案を取らなかった理由』を添える
- 設問アとの整合を1対1で対応させ、論理的整合性を見せる
- 数値(投資額/期間/顧客数/市場規模)を最低3箇所に織り込む
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
設問アで述べた事業環境を踏まえ、私は「生成AIによるサービス提供価値の最大化と社内生産性向上を通じた競争優位確立戦略」を策定した。この戦略は、以下の3つの柱で構成される。 第一の柱は、「顧客向けサービスにおける生成AI活用による付加価値向上」である。具体的には、顧客のDX推進コンサルティングにおいて、生成AIを活用した市場トレンド分析レポートの自動生成、顧客企業のデータに基づいた経営課題の仮説生成、および新規事業アイデアの創出支援を導入する。これにより、コンサルティングの深度と速度を向上させ、顧客への提案力を強化する。また、システム開発フェーズでは、生成AIによる要件定義書の自動生成支援や、コード生成・テストケース生成を導入し、開発期間の短縮と品質向上を図る。さらに、顧客サポートにおいては、FAQチャットボットに生成AIを組み込み、問い合わせ対応の自動化とパーソナライズ化を進める。 第二の柱は、「社内業務の生産性革新とナレッジ活用高度化」である。営業部門では、生成AIによる顧客情報の要約や提案書作成支援、マーケティング部門では、コンテンツ生成やキャンペーン企画支援を導入する。開発部門では、既存コードの解析やドキュメント自動生成により、保守・運用の効率化を図る。また、社内ナレッジベースに生成AIを連携させ、社員が求める情報を迅速に引き出せるようにすることで、組織全体の情報共有と学習効率を向上させる。これにより、間接部門の業務効率を20%向上させることを目標とした。 第三の柱は、「生成AIガバナンスとリスク管理体制の構築」である。生成AIの導入には、ハルシネーション、知的財産権侵害、情報漏洩などのリスクが伴うため、これらを適切に管理する体制を構築することが不可欠である。私は、社内利用ガイドラインを策定し、利用目的、データ入力範囲、出力内容の確認プロセスを明確化した。特に、顧客データや機密情報の取り扱いについては、個人情報保護法およびISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)に準拠した厳格なルールを設けた。また、生成AIの出力内容の正確性を検証するための専門チームを設置し、誤情報の拡散防止策を講じた。さらに、生成AIの利用状況をモニタリングし、不適切な利用がないか監査する仕組みを導入した。 この戦略策定上で私が特に重視した点は、以下の二点である。 一つ目は、「競争優位の源泉との連携」である。単に生成AIを導入するだけでなく、当社の強みである顧客への深い理解とコンサルティング能力と組み合わせることで、競合他社には模倣困難な独自の価値提供を目指した。例えば、生成AIが生成した提案書ドラフトを、コンサルタントが顧客固有の事情に合わせてカスタマイズすることで、より質の高い提案を実現する。 二つ目は段階的な導入とリスク評価である。まず非機密の社内文書作成で試行し、生成時間だけでなく、事実確認・修正を含む総工数を測定した。誤情報の検出に想定以上の工数が必要だったため、顧客への提出前に根拠資料と照合するレビューを必須にした。担当者の教育と確認項目を標準化し、検証できない内容は生成文から除外する。外部サービス費、利用量、レビュー工数を月次で予実比較し、費用対効果と品質を満たした用途から顧客向けに展開することとした。
採点の観点
【A評価相当】 - 戦略/設計/計画/監査手続の内容が具体的に記述されている - 設問アの背景と論理的に対応している - 「重視した点」が3つ程度、それぞれに具体的判断と理由が明示されている - 数値(金額/期間/規模)が適切に織り込まれている 【B評価相当】 - 戦略/設計/計画は記述されているが、提供価値が一般論にとどまる - 重視点が単に列挙されているだけで判断理由が弱い - 設問アとの連携が弱く、戦略が独立して語られている 【C評価相当(要改善)】 - 標語の繰り返しで具体性に欠ける - 自身の役割が見えず、評論的記述に終始
設問ウ
0 / 600〜1200 字設問イで述べた事業戦略について、経営層への説明・関係部門との合意形成の取り組み、及び評価と今後の改善点を、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 経営層/関係者への説明と合意形成を、それぞれ独立段落で論じる
- 反対意見や困難の具体例を必ず1つ以上盛り込み、それへの対応を描く
- 評価点と改善点を明確に分け、改善点には今後への具体的アクションを添える
- 数値(期間/工数/合意までのステップ数)を散りばめて当事者性を担保する
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
策定した事業戦略について、私は経営層への説明と関係部門との合意形成に注力した。 経営層には、提案力の向上と社内生産性改善による収益機会を、レビュー工数や利用料と合わせて説明した。受注率を5%向上させ年間売上3億円を増やすこと、社内業務で年間2億円相当の工数を削減することは試算上の目標と明示し、実現済みの利益とは区別した。誤情報、知的財産、情報漏洩のリスクと、人による根拠確認・入力制限を示し、実証段階ごとに継続投資を判断する承認を得た。 関係部門との合意形成においては、各部門の業務への影響とメリットを具体的に示し、主体的な参画を促した。特に、開発部門に対しては、生成AIによるコード生成支援やテスト自動化が、開発期間短縮と品質向上に貢献することを説明し、導入への協力を求めた。しかし、当初は「AIが人間の仕事を奪うのではないか」という抵抗感が強く、「困難」に直面した。これに対し、私は生成AIはあくまで「人間の能力を拡張するツール」であり、創造的な業務や高度な判断業務に集中できる環境を創出することを繰り返し説明した。さらに、生成AIのトレーニングプログラムを開発部門向けに提供し、実際に利用体験を通じてそのメリットを実感してもらうことで、「対応」した。これにより、部門からの理解と協力を得ることができた。また、法務部門や情報セキュリティ部門とは、個人情報保護法やISO/IEC 27001に準拠したガイドライン策定やリスク評価プロセスについて密に連携し、全社的な合意形成を図った。 事業戦略の評価と今後の改善点については、以下の通りである。導入から半年が経過し、顧客向けサービスにおいては、生成AIを活用した提案書作成支援により、提案準備期間が平均15%短縮され、顧客からの評価も向上した。社内業務では、特にマーケティング部門でのコンテンツ生成支援により、作業時間が25%削減された。しかし、ハルシネーションのリスクは依然として存在し、生成された情報のレビューには想定以上の工数を要していることが判明した。これは、初期の計画におけるレビュー工数の見積もりが甘かったという改善点である。 今後は、参照資料を限定し、回答に根拠箇所を示す仕組みを試す。レビューの総工数と見逃した誤りを測り、自動化だけで安全になったとは判断しない。四半期ごとに投資効果を経営層と見直し、品質を確保できない用途は範囲を縮小する。
採点の観点
【A評価相当】 - 関係者への説明・合意形成の両方を具体的に記述 - 「評価」と「改善点」が両方明示され、改善点には次への学びがある - 反対意見・困難への対応プロセスが具体的に描かれている - 自身の関与と判断が明確 【B評価相当】 - 説明や合意形成は記述されているが、困難の描写が弱い - 評価のみで改善点が形式的、または逆 【C評価相当(要改善)】 - 「説明した」「合意を得た」と結果のみで過程が不明 - 改善点が当たり障りのない一般論