IPA情報処理技術者試験 全13区分の比較
IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験は、全 13 区分で構成されます。本記事では、各区分の難易度・対象者・推奨受験順序・キャリア接続を一覧で比較します。
13区分の全体像
IPA スキル標準のレベル別に整理すると、次の構成になります。
- レベル1: ITパスポート(IP)
- レベル2: 情報セキュリティマネジメント(SG)/基本情報技術者(FE)
- レベル3: 応用情報技術者(AP)
- レベル4(高度試験): ITストラテジスト(ST)/システムアーキテクト(SA)/プロジェクトマネージャ(PM)/ネットワークスペシャリスト(NW)/データベーススペシャリスト(DB)/エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)/情報処理安全確保支援士(SC)/ITサービスマネージャ(SM)/システム監査技術者(AU)
推奨される受験順序
IT エンジニアのキャリアでは、次の順序が王道です。
- 基本情報技術者(FE):エンジニアの登竜門
- 応用情報技術者(AP):高度試験の準備
- 高度試験:得意分野で 1 区分以上を取得
非エンジニア職の方は、IT パスポート → 情報セキュリティマネジメントの順が定番です。
レベル別の特徴
レベル1:ITパスポート
IT を活用するすべての社会人・学生向けの基礎資格。CBT 形式で随時受験可能なため、最短 1 ヶ月で取得を目指せます。
レベル2:基本情報・情報セキュリティマネジメント
エンジニア入門・セキュリティ管理者入門の役割。基本情報は科目 A・B 構成、情報セキュリティマネジメントは長文事例中心の科目B。
レベル3:応用情報技術者
午前 80 問 / 午後選択式の構成。難関は午後の長文記述で、特に情報セキュリティ(必答)と選択 4 問の組み合わせが鍵。
レベル4:高度試験
技術系(NW / DB / ES / SC)と管理系(ST / SA / PM / SM / AU)に大別されます。応用情報合格者は午前 I が 2 年間免除されるため、応用情報直後に高度試験を受けるのが効率的です。
キャリア接続の実例
- 新卒 SE:FE → AP → 自分の専門領域の高度試験
- インフラエンジニア:FE → AP → NW → SC
- セキュリティエンジニア:SG → SC(または FE → AP → SC)
- DB エンジニア:FE → AP → DB
- 組込みエンジニア:FE → ES
- PM 志望:AP → PM
- コンサル / 戦略:AP → ST または AP → AU
各区分の詳細は次のページから確認できます。
同時受験のリスク
複数区分を同時受験するのは推奨できません。学習リソースが分散し、結果としてどちらも不合格になるケースが多発します。1 区分ごとに集中するのが王道です。
区分別の試験時間(長さ)
各区分の試験時間(長さ)は次のとおりです。試験時間の長さは、令和 8 年度に予定される応用情報・高度試験・情報処理安全確保支援士の CBT 移行後も変わりません(IPA は「各試験時間に変更はありません」と明記)。移行に伴い午前 → 科目 A・午後 → 科目 B へ名称が変わる予定ですが、長さは下表のままです。
| 区分 | 試験時間(長さ) |
|---|---|
| ITパスポート(IP) | 120 分(100 問を通しで解答) |
| 情報セキュリティマネジメント(SG) | 120 分(科目 A+科目 B 計 60 問) |
| 基本情報技術者(FE) | 科目 A 90 分+科目 B 100 分 |
| 応用情報技術者(AP) | 午前 150 分+午後 150 分 |
| 高度試験(ST/SA/PM/NW/DB/ES/SM/AU) | 午前 I 50 分+午前 II 40 分+午後 I 90 分+午後 II 120 分 |
| 情報処理安全確保支援士(SC) | 午前 I 50 分+午前 II 40 分+午後 150 分 |
- IP・SG・FE は CBT で通年実施され、予約した日時に 1 回で全科目を続けて受験します。
- 高度試験の午前 I は、応用情報合格者などは 2 年間免除されます(免除中は当日の午前 I を受けません)。
- 情報処理安全確保支援士(SC)は 2023 年度から午後 I・午後 II が 1 つの午後試験(150 分)に統合されました。
- 上表は試験時間の「長さ」です。開始時刻(時間割)は方式・年度で異なり、CBT 区分や移行後は予約日時に受験するため、最新の実施要項は IPA 公式で確認してください。
よくある質問
Q1. どの順番で受験すればいいですか? IT エンジニアは基本情報技術者(FE)→ 応用情報技術者(AP)→ 得意分野の高度試験という順序が王道です。非エンジニア職の方は IT パスポート(IP)→ 情報セキュリティマネジメント(SG)の順が定番です。いきなり高度試験から入るより、土台を固めてから進むほうが安定します。
Q2. 応用情報に合格すると高度試験で有利になりますか? 有利になります。応用情報合格者は高度試験の午前 I が 2 年間免除されるため、応用情報合格の直後に高度試験を受けるのが最も効率的です。免除期間内に技術系(NW/DB/ES/SC)または管理系(ST/SA/PM/SM/AU)の 1 区分以上を狙うのがおすすめです。
Q3. 複数の区分を同時に受験してもいいですか? 推奨できません。学習リソースが分散し、結果としてどちらも不合格になるケースが多発します。1 区分ごとに集中して合格を積み上げるのが王道です。
Q4. 自分の職種にはどの区分が合いますか? 代表的なキャリア接続は、インフラエンジニアが FE → AP → NW → SC、セキュリティエンジニアが SG → SC(または FE → AP → SC)、DB エンジニアが FE → AP → DB、組込みエンジニアが FE → ES、PM 志望が AP → PM、コンサル・戦略職が AP → ST または AP → AU です。専門領域に直結する区分を選ぶとキャリアに活きます。
Q5. 各区分の試験時間は何分ですか? ITパスポートと情報セキュリティマネジメントは 120 分、基本情報は科目 A 90 分+科目 B 100 分、応用情報は午前・午後それぞれ 150 分です。高度試験は午前 I 50 分+午前 II 40 分+午後 I 90 分+午後 II 120 分(情報処理安全確保支援士は 2023 年度から午後が 150 分に統合)。試験時間の長さは令和 8 年度の CBT 移行後も変わりませんが、開始時刻は方式・年度で異なるため最新の実施要項を確認してください。
まとめ
- IPA 情報処理技術者試験は全 13 区分・4 レベル
- エンジニアは FE → AP → 高度試験が王道
- 応用情報合格で高度試験の午前 I が 2 年間免除
- 同時受験は推奨されない、1 区分ずつ集中
- 試験時間の長さは IP・SG が 120 分、FE は科目 A90 分+科目 B100 分、AP は午前・午後各 150 分(CBT 移行後も不変)
ご自身のキャリア方向に合わせて、最適な受験順序を計画しましょう。