2025年1月試験 実技 問37
法令基準日 2024-10-01
問題
照之さんは、自身が死亡した場合の自宅の敷地への小規模宅地等の特例(以下「本特例」という)の適用について、FPで税理士でもある最上さんに質問をした。本特例に関する最上さんの説明の空欄(ア)~(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、自宅の敷地について、記載のない事項は特定居住用宅地等として、本特例の適用要件を満たしているものとする。 <最上さんの説明> 「特定居住用宅地等の適用限度面積は( ア )で、減額割合は80%です。 照之さんと同居していた孝子さんが、相続により自宅建物および敷地を取得後、その敷地を相続 税の申告期限までに売却した場合、本特例の適用を受けること( イ )。また、照之さんと同居 していた憲一さんが、相続により自宅建物および敷地を取得後、相続税の申告期限までにその自 宅建物をすべて賃貸した場合、本特例の適用を受けること( ウ )。」
この問題で使う共通設例
同じ大問の前ページにある家族・資産などの条件です。原典PDF 32ページ。
【第10問】下記の(問35)~(問40)について解答しなさい。 <設例> 国内の上場企業に勤務する羽田照之さんは、今後の生活のことなどに関して、FPで税理士でもあ る最上さんに相談をした。なお、下記のデータは2025年1月1日現在のものである。 I.家族構成(同居家族) 氏名 続柄 生年月日 年齢 備考 羽田 照之 本人 1967年 6月27日 57歳 会社員(正社員) 孝子 妻 1968年10月18日 56歳 パートタイマー 理子 長女 2000年 5月11日 24歳 会社員(正社員) 憲一 長男 2004年12月12日 20歳 大学生 II.羽田家の親族関係図 III.羽田家(照之さんと孝子さん)の財産の状況 [資料1:保有資産(時価)] (単位:万円) 照之 孝子 金融資産 現金・預貯金 1,860 株式・投資信託 1,420 生命保険(解約返戻金相当額) [資料3]を参照 [資料3]を参照 不動産 土地(自宅の敷地) 3,300 建物(自宅の家屋) その他 動産等 孝子 理子 憲一 行雄 佳江 由美子 紀夫 和枝 照之 俊子 二郎 裕一 恭子 (すでに死亡) (すでに死亡) (すでに死亡) (すでに死亡)


公式模範解答を見る
1. (ア)330m2 (イ)ができます (ウ)はできません
表記・単位・複数空欄の組合せは公式模範解答に合わせています。配点は協会非公表です。
解き方・判断の根拠
小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4、基準日2024-10-01)の論点です。(ア)特定居住用宅地等の適用限度面積は330㎡で、減額割合は80%です。400㎡は特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等の限度面積なので、ここには当てはまりません。(イ)被相続人の配偶者が取得した場合は、申告期限まで居住を続ける要件も保有を続ける要件も課されません。そのため、孝子さんが申告期限までに敷地を売却しても、本特例の適用を受けることができます。ただし、被相続人の居住の用に供されていた宅地であることなど、宅地そのものの要件は配偶者にも適用されます。設問ではこれらの要件を満たしているものとされています。(ウ)同居親族が取得した場合は、相続開始時から申告期限まで、その宅地を保有し続け、かつその家屋に居住し続けることが要件です。憲一さんが申告期限までに自宅建物をすべて賃貸すると居住継続要件を満たさないため、本特例は適用できません。したがって、(ア)330㎡、(イ)ができます、(ウ)はできません、となり、正解は1です。
各選択肢の理由
1.正しい。(ア)330㎡は特定居住用宅地等の限度面積として正しい。(イ)配偶者には申告期限までの居住継続要件と保有継続要件がないので、売却しても適用できる。(ウ)同居親族は申告期限まで保有と居住を続ける必要があり、建物をすべて賃貸すると適用できない。3つの空欄がすべて合っている。
2.誤り。(ア)330㎡は正しい。しかし(イ)『はできません』は誤りで、配偶者には保有継続要件がないため、売却しても適用できる。(ウ)『ができます』も誤りで、同居親族は申告期限まで居住を続ける必要があり、賃貸すると適用できない。
3.誤り。(ア)400㎡は特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等の限度面積で、特定居住用宅地等の330㎡とは違う。(イ)『ができます』は正しい。(ウ)『ができます』は誤りで、同居親族は申告期限まで保有と居住を続ける必要があり、自宅建物をすべて賃貸すると要件を満たさない。
4.誤り。(ア)400㎡は特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等の限度面積なので誤り。(イ)『はできません』も誤りで、配偶者には保有継続要件と居住継続要件がないため、売却しても適用できる。(ウ)『はできません』は正しい。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 実技試験(資産設計提案業務)2025年1月試験。改行・空白を整え、図表がある設問では原典の該当箇所を画像で併記。