2025年5月公表 実技 問1
法令基準日 2024-04-01
問題
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)は、ファイナンシャル・プランニング業務を行ううえで関連業法等を順守することが重要である。FPの行為に関する次の(ア)~(エ)の記述について、適切なものは○、不適切なものは×を選択しなさい。なお、記載のない資格の登録等については考慮しないものとする。 (ア)生命保険募集人、保険仲立人または金融サービス仲介業の登録を受けていないFPが、生命保険 契約を検討している顧客のライフプランに基づき、有償で具体的な必要保障額を試算した。 (イ)弁護士の登録を受けていないFP(遺言者や公証人と利害関係はない成年者)が、顧客から依頼 されて公正証書遺言の証人となり、顧客から適正な報酬を受け取った。 (ウ)投資助言・代理業の登録を受けていないFPが、顧客に対し有償で、特定企業の公表されている 決算報告書を用いて、具体的な株式の投資時期等の判断や助言を行った。 (エ)税理士の登録を受けていないFPが、公民館主催の相談会に訪れた相談者に対し、無償で仮定の 事例に基づく相続税額を計算する手順の説明を行った。
公式模範解答を見る
(ア)○ (イ)○ (ウ)× (エ)○
表記・単位・複数空欄の組合せは公式模範解答に合わせています。配点は協会非公表です。
解き方・判断の根拠
正解は(ア)○(イ)○(ウ)×(エ)○。 (ア)○:保険業法上の保険募集は、保険契約の締結の代理または媒介を指す。顧客のライフプランに基づいて必要保障額を試算するだけなら、契約締結の代理・媒介に当たらない。このため、生命保険募集人などの登録がないFPでも有償で行える。ただし、特定の保険商品を勧めて契約の締結を仲介すれば募集行為に該当する。 (イ)○:公正証書遺言の証人に資格は要らない。民法974条の欠格事由に当たる者は証人になれない。欠格事由は、未成年者、推定相続人・受遺者とその配偶者・直系血族、公証人の配偶者・四親等内の親族・書記・使用人である。本問のFPは遺言者や公証人と利害関係のない成年者なので、欠格事由に当たらず証人になれる。証人になることは法律事務の取扱いに当たらないため、適正な報酬を受け取っても弁護士法に抵触しない。 (ウ)×:有償で具体的な株式の投資時期などを判断・助言する行為は、金融商品取引法の投資助言・代理業に該当する。この業務には内閣総理大臣の登録が必要である。公表されている決算報告書を資料に使っても、個別具体的な投資判断を助言した以上、無登録で行えば違法になる。 (エ)○:税理士法52条は、税理士でない者が業として税務相談を行うことを、有償・無償を問わず禁止している。したがって、無償であることは適法の理由にならない。本問が適法となるのは、仮定の事例に基づいて相続税額の一般的な計算手順を説明しているだけで、相談者の個別具体的な事情に基づく税務相談(税理士法2条)に当たらないためである。
各選択肢の理由
ア.○。保険募集(契約締結の代理・媒介)に当たらない必要保障額の試算なので、無登録でも有償で行える。
イ.○。民法974条の欠格事由に当たらない成年者は証人になれる。報酬を受け取っても弁護士法に抵触しない。
ウ.×。有償で具体的な投資時期などを助言する行為は投資助言・代理業に当たり、無登録で行うと金融商品取引法違反になる。
エ.○。仮定の事例に基づく一般的な計算手順の説明にとどまり、個別具体的な税務相談に当たらない。税理士法52条は有償・無償を問わず税務相談を禁止しているので、無償であることは理由にならない。
出典:日本FP協会 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定 実技試験(資産設計提案業務)2025年5月公表。改行・空白を整え、図表がある設問では原典の該当箇所を画像で併記。