電力用コンデンサの投入でP-V曲線全体が高い電圧側・大きい電力側へ広がるため,潮流限界点(ノーズの先端B)は図の右上方向へ移動する。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問3(5)
次の文章は,電圧安定性に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
電圧安定性は負荷の様相に大きく依存する。電圧に対する負荷特性は,定電力特性,定電流特性,定インピーダンス特性の三つに分類される。定電力特性の負荷の代表例として挙げられるのは[(1)]である。負荷全体に対する定電力負荷の割合が[(2)]場合,電圧維持が厳しくなる。
電圧安定性を表す特性として,負荷の有効電力Pと負荷端の電圧Vの関係を表したP-V曲線が一般に用いられ,その形からノーズカーブともいわれる。下の図において,誘導性の負荷が定電力特性(P=P_Lで一定)である場合,安定な運用点は[(3)]である。
負荷の有効電力が増加すると電圧安定性が低下するおそれがあることから,負荷端に[(4)]を投入することで,P-V曲線の潮流限界点が図の[(5)]方向に移動し,電圧の安定性を向上できる。
【図】横軸は負荷の有効電力P,縦軸は負荷端の電圧V(原点O)。P-V曲線はV軸上の高い電圧から右へほぼ水平に進み,右端の点B(潮流限界点)で折り返して原点Oへ向かう。P=P_Lの縦の破線が曲線の上側と点A,下側と点Cで交わる。
空欄(5)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

選択肢
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よって,空欄(5)の正答は(リ)「右上」である。
各選択肢の解説
- (イ)
蛍光灯
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「蛍光灯」は安定器を用いる放電灯の負荷である。
- (ロ)
分路リアクトル
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「分路リアクトル」は遅れ無効電力を消費して電圧を下げる調相設備である。
- (ハ)
C
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「C」は図の曲線下側の交点である。
- (ニ)
制動抵抗
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「制動抵抗」は発電機の加速を抑える過渡安定度対策の設備である。
- (ホ)
電熱体
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「電熱体」は抵抗負荷である。
- (ヘ)
小さい
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「小さい」は割合の大小を表す語である。
- (ト)
大きい
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「大きい」は割合の大小を表す語で,空欄(2)の正答である。
- (チ)
インバータエアコン
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「インバータエアコン」は定電力特性の負荷で,空欄(1)の正答である。
- (リ)
右上
正しい。電力用コンデンサの投入でP-V曲線全体が高い電圧側・大きい電力側へ広がるため,潮流限界点(ノーズの先端B)は図の右上方向へ移動する。
- (ヌ)
電力用コンデンサ
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「電力用コンデンサ」は進み無効電力を供給する調相設備で,空欄(4)の正答である。
- (ル)
B
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「B」は図の潮流限界点(ノーズの先端)である。
- (ヲ)
ゼロの
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「ゼロの」は割合がないことを表す語である。
- (ワ)
右下
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。右下は限界点の電圧が低下する方向である。電力用コンデンサを投入すると負荷端電圧が上がり送電可能な最大電力も増えるので,限界点は電圧・電力ともに大きくなる右上へ移る。
- (カ)
左上
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。左上は送電可能な最大電力が減る方向で,電力用コンデンサの投入による移動(電圧・電力とも大きくなる右上)と一致しない。
- (ヨ)
A
誤り。空欄(5)に入るのは,電力用コンデンサ投入時の潮流限界点の移動方向で,正答は「右上」である。「A」は図の曲線上側の交点で,空欄(3)の正答である。
分野「電力」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
- 電力電圧安定性
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