フランシス水車は,ランナに流入する水の圧力と速度の両方を利用する反動水車である(ペルトン水車は衝動水車)。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問5(3)
次の文章は,水力発電所の設計に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
水力発電所の新設計画を検討する際には,土木設備を含めた設備全体でのコスト低減を図ることが求められる。その一例として,負荷遮断時の[(1)]を低く抑えることによって,[(2)]の肉厚を薄くする場合がある。
フランシス水車などの[(3)]水車を用いる発電所で,この検討を具体化する場合には,ガイドベーン閉鎖時間を10~20秒程度に意図的に長くしなければならず,負荷遮断時の水車・発電機の速度上昇は避けられない。この際,発電機のはずみ車効果(GD²)は[(4)]とし,負荷遮断時の回転速度を[(5)]又はそれに近い速度まで許容する設計を採用することが一般的である。これにより,水車・発電機の強度を高める必要はあるが,土木設備も含めた水力発電所全体でコスト低減を図ることができる。
空欄(3)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
よって,空欄(3)の正答は(ル)「反動」である。
各選択肢の解説
- (イ)
系統要求
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「系統要求」はGD²を系統側の要求で決めることを表す語である。
- (ロ)
水圧鉄管
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「水圧鉄管」は水車へ導水する管路設備の名称で,空欄(2)の正答である。
- (ハ)
無拘束速度
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「無拘束速度」は負荷が外れ調速機も働かないときに水車が到達する最高回転速度で,空欄(5)の正答である。
- (ニ)
衝動
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。衝動水車はペルトン水車などノズルの噴流で回すもので,フランシス水車は反動水車である。
- (ホ)
速度変動率
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「速度変動率」は負荷遮断時の回転速度上昇の割合(最大回転速度と定格回転速度の差の定格回転速度に対する比)である。
- (ヘ)
ヘッドタンク
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「ヘッドタンク」は水路式発電所の水槽の名称である。
- (ト)
臨界速度
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「臨界速度」は回転体の固有振動数に一致する危険速度である。
- (チ)
水車要求
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「水車要求」はGD²を水車側の要求で決めることを表す語である。
- (リ)
半衝動
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。水車は一般に衝動水車(ペルトン水車等)と反動水車(フランシス水車等)に大別され,フランシス水車は反動水車である。
- (ヌ)
水圧上昇
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「水圧上昇」は水撃作用による管路内の圧力上昇で,空欄(1)の正答である。
- (ル)
反動
正しい。フランシス水車は,ランナに流入する水の圧力と速度の両方を利用する反動水車である(ペルトン水車は衝動水車)。
- (ヲ)
制水門
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「制水門」は取水口などの水門設備の名称である。
- (ワ)
定格速度
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「定格速度」は定格運転時の回転速度である。
- (カ)
発電機固有
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「発電機固有」はGD²を発電機の設計で自然に決まる値とする意味の語で,空欄(4)の正答である。
- (ヨ)
電圧変動率
誤り。空欄(3)に入るのは,フランシス水車が属する水車の形式分類で,正答は「反動」水車である。「電圧変動率」は発電機や変圧器の電圧特性を表す量である。
分野「電力」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
- 電力水力発電所の設計
この問題を AI と深掘りする
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
関連する問題
電力 の他の問題
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(1)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(2)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(3)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(4)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(5)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
他試験の同テーマ問題
トピック「電力・水力発電所の設計」を扱う他試験区分の過去問
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問1水力発電所に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問2総落差200m、ポンプ水車・発電電動機1台よりなる揚水発電所がある。揚水時・発電時共に流量は100 m³/s、損失水頭は揚水・発電共に総落差の2.5%、ポンプ効率・水車効率共に85%、発電効率・電動機効率共に98%とし、損失水頭及び上記4種の効率は、揚程、落差、出力、入力の変化に…
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問3一般的な排熱回収方式のガスタービンコンバインドサイクル発電を,同一出力の汽力発電と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問41 gのウラン235が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,発生するエネルギーを石炭に換算した値[kg]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,石炭の発熱量を25 000 kJ/kgとする。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問5燃料電池の原理と特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
第二種電気主任技術者 の学習ガイド
モバイル片手演習でIPA試験の隙間時間を稼ぐ|通勤・昼休み・待ち時間の活用
IPA試験対策をモバイル片手で進めるための具体的な工夫を解説。通勤電車・昼休み・待ち時間で 1 日 30 分を稼ぐためのアプリ設定・演習ルーティンを紹介します。
過去問の誤答ふりかえり3ステップ|浅い見直しで時間を捨てないために
過去問演習で誤答した時に『なぜ間違えたか』を 3 ステップで構造化して見直す手順を解説。原因分類・対策メモ・類題演習で、同じミスを 2 回しない学習設計を紹介します。
過去問演習を分散学習で最適化する|エビングハウスとライトナーシステムの実践
分散学習(spaced repetition)の理論を、IPA過去問演習に落とし込む実践手順を解説。ライトナーシステムの活用、復習タイミングの設計、過去問AIでの自動化方法を紹介します。
AI学習ツールと予備校・通信講座の使い分け|IPA試験の最適な組み合わせ
IPA試験対策はAIツール一択ではなく、予備校・通信講座との使い分けが鍵。それぞれの強み・弱みと、組み合わせるべき学習者のタイプ別パターンを解説します。