リチウムイオン電池は充放電サイクルや経年で容量が低下し,レドックスフロー電池等と比べて耐用年数が短いことが課題とされる。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問6(1)
次の文章は,電力貯蔵装置に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
太陽光発電や風力発電などの変動性再生可能エネルギーの普及拡大に応じて,近年では電力貯蔵装置の普及も進展している。電力貯蔵装置は,その原理から電気化学式,機械式,化学式,蓄熱式等に分類される。
電気化学式としては,高エネルギー密度で充放電効率が高いリチウムイオン電池が幅広く実用化されているが,希少資源を用いる点や[(1)]などの課題もある。リチウムイオン電池と比較すると,レドックスフロー電池はエネルギー密度がやや低い課題があるが,大容量化が比較的容易であり,[(2)]などの利点がある。
機械式としては,圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)が挙げられる。再生可能エネルギーの余剰電力で空気を圧縮・貯蔵し,ピーク需要時に[(3)]を回して発電に用いることで,余剰電力のタイムシフトが可能となる。
化学式の一つである水素製造は,年間・季節間を通じた余剰電力のタイムシフトが比較的容易に実現できる利点がある。製造した水素を燃料電池(業務・産業用)を用いて再び電力へ変換する場合,総合での効率(電気分解による水素製造と,水素を用いた発電の両方を考慮した効率)は,廃熱利用を考慮しなければ[(4)]程度になる。
変動性再生可能エネルギーの普及拡大により課題となる慣性力の確保や電圧維持のために,電力貯蔵装置の系統連系用インバータを系統の電圧と周波数に依存しない[(5)]型へとする研究開発が国内外で進められている。
空欄(1)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
よって,空欄(1)の正答は(チ)「耐用年数が短い」である。
各選択肢の解説
- (イ)
設置面積が小さい
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「設置面積が小さい」は長所を表す語句である。
- (ロ)
メモリー効果が大きい
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。メモリー効果はニッケル系電池で問題となる現象で,リチウムイオン電池の課題として挙げられるものではない。
- (ハ)
30~40 %
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「30~40 %」は効率の値で,空欄(4)の正答である。
- (ニ)
充放電の繰り返しによる劣化が小さい
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「充放電の繰り返しによる劣化が小さい」は長所を表す語句で,空欄(2)の正答である。
- (ホ)
総合効率が高い
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。総合効率が高いことは課題ではなく利点であり,本文でもリチウムイオン電池は充放電効率が高いとされている。
- (ヘ)
コンプレッサ
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「コンプレッサ」は空気を圧縮する機械である。
- (ト)
風車
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「風車」は風のエネルギーを回転力に変える機械である。
- (チ)
耐用年数が短い
正しい。リチウムイオン電池は充放電サイクルや経年で容量が低下し,レドックスフロー電池等と比べて耐用年数が短いことが課題とされる。
- (リ)
SST
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「SST」は半導体変圧器(Solid State Transformer)の略である。
- (ヌ)
グリッドフォーミング
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「グリッドフォーミング」はインバータの制御の型の名称で,空欄(5)の正答である。
- (ル)
50~60 %
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「50~60 %」は効率の値である。
- (ヲ)
タービン
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「タービン」は流体のエネルギーを回転力に変える機械で,空欄(3)の正答である。
- (ワ)
グリッドフォローイング
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「グリッドフォローイング」はインバータの制御の型の名称である。
- (カ)
80~90 %
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。「80~90 %」は効率の値である。
- (ヨ)
応動時間が長い
誤り。空欄(1)に入るのは,リチウムイオン電池の課題として希少資源と並ぶ短所で,正答は「耐用年数が短い」である。リチウムイオン電池は応動が速く,応動時間が長いことは課題として挙げられない。
分野「電力」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
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