キルヒホッフの電流則により,保護区間内に事故がなければ流入する全端子の電流のベクトル和はゼロとなる。電流和がゼロでなければ内部に事故がある(差電流が流れ出ている)と判定する。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問7(5)
次の文章は,回線選択リレーに関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
回線選択リレーは,1,2号線平衡回路である平行2回線送電線において,保護区間の[(1)]事故では1,2号線に等しい電流が流れるが,いずれかの回線で事故が発生すると1,2号線を流れる電流に不平衡が生じることを利用して事故を検出する送電線保護リレーである。連系された二つの変電所(端子)間の通信回線を必要とせず保護が可能なため,66~77 kV送電線を主体として広く用いられている。
ただし,送電線の事故点が端子に近い場合,1,2号線の電流の大きさがほぼ等しくなり[(2)]するほか,同一地点の同相で事故が起こった場合に動作できない。
他に回線選択リレーの適用にあたっての留意事項には以下が挙げられる。
① 送電線1回線停止など,平行運用が解かれたときはリレーをロックする
② 不平衡分岐端子の発電機や負荷の影響
③ [(3)]電流の影響
④ 適用端子数の制限
上述のような制約があるため,回線選択リレーを主保護に用いる場合は,[(4)]などの後備保護と組み合わせて使用することが一般的である。
また,これらの留意点から回線選択リレーの適用が難しい系統にはPCM電流差動リレーを用いることが多い。PCM電流差動リレーは,端子間の電流値を相互に伝送し,送電線に流入する全端子の電流和を演算したうえで,[(5)]に基づき事故点の有無を判定する。そのため,通信回線を必要とするが,回線選択リレーで挙げた留意点に関する制約がなく,感度・信頼性も高い保護リレーである。ただし,PCM電流差動リレーにおいても,通信回線が使用できない場合等に備えて後備保護を組み合わせて使用する。
空欄(5)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
よって,空欄(5)の正答は(ル)「キルヒホッフの法則」である。
各選択肢の解説
- (イ)
過電圧リレー
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「過電圧リレー」は電圧上昇を検出するリレーの名称である。
- (ロ)
内部
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「内部」は保護区間の内側という場所を表す語である。
- (ハ)
オームの法則
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。オームの法則は電圧・電流・抵抗の関係を表す法則で,流入する電流の和がゼロとなることの根拠にならない。
- (ニ)
零相循環
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「零相循環」は回線間を循環する零相電流を表す語で,空欄(3)の正答である。
- (ホ)
過負荷
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「過負荷」は運転状態を表す語である。
- (ヘ)
転送遮断リレー
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「転送遮断リレー」は通信で遮断指令を送る方式のリレーの名称である。
- (ト)
事故除去が遅延
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「事故除去が遅延」はリレー動作の遅れを表す語句で,空欄(2)の正答である。
- (チ)
短絡
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「短絡」は事故の種類を表す語である。
- (リ)
距離リレー
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「距離リレー」は事故点までのインピーダンスを測って動作するリレーの名称で,空欄(4)の正答である。
- (ヌ)
高調波
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「高調波」は基本波の整数倍の周波数成分である。
- (ル)
キルヒホッフの法則
正しい。キルヒホッフの電流則により,保護区間内に事故がなければ流入する全端子の電流のベクトル和はゼロとなる。電流和がゼロでなければ内部に事故がある(差電流が流れ出ている)と判定する。
- (ヲ)
マクスウェルの法則
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。マクスウェルの方程式は電磁界の基本法則で,電流差動リレーの判定原理として用いる語ではない。
- (ワ)
外部
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「外部」は保護区間の外側という場所を表す語で,空欄(1)の正答である。
- (カ)
誤動作
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「誤動作」はリレーが動作すべきでないのに動作することを表す語である。
- (ヨ)
雷撃
誤り。空欄(5)に入るのは,全端子の電流和から事故点の有無を判定する根拠となる法則で,正答は「キルヒホッフの法則」である。「雷撃」は事故の原因を表す語である。
分野「電力」の学習ポイント
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- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
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- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
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