期待金額価値(Expected Monetary Value, EMV)は、各選択肢における起こりうる結果の金額にその確率を乗じて合計した値であり、意思決定の際に用いられる指標です。期待金額価値が高いほど、より望ましい選択肢と判断されます。
令和6年度 春期 高度試験共通 午前I 問19
工場の生産能力を増強する方法として、新規システムを開発する案と既存システムを改修する案とを検討している。次の条件で、期待金額価値の高い案を採用するとき,採用すべき案と期待金額価値との組合せのうち、適切なものはどれか。ここで、期待金額価値は、収入と投資額との差で求める。
[条件]
・新規システムを開発する場合の投資額は100億円であって、既存システムを改修する場合の投資額は50億円である。
・需要が拡大する確率は70%であって、需要が縮小する確率は30%である。
・新規システムを開発した場合、需要が拡大したときは180億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは50億円の収入が見込まれる。
・既存システムを改修した場合、需要が拡大したときは120億円の収入が見込まれ、需要が縮小したときは40億円の収入が見込まれる。
・他の条件は考慮しない。

選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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まず、各案の期待金額価値を計算します。
新規システム開発の場合: (180億円 × 0.7) + (50億円 × 0.3) - 100億円 = 126億円 + 15億円 - 100億円 = 41億円
既存システム改修の場合: (120億円 × 0.7) + (40億円 × 0.3) - 50億円 = 84億円 + 12億円 - 50億円 = 46億円
期待金額価値が高いのは既存システム改修案(46億円)であるため、採用すべき案は既存システムの改修であり、その期待金額価値は46億円です。
補足Layer 3展開閉じる
選択肢アは、採用すべき案と期待金額価値の組合せが適切です。
選択肢イは、既存システム改修の期待金額価値が96億円となっていますが、正しくは46億円であるため不適切です。
選択肢ウは、新規システム開発の期待金額価値が41億円となっていますが、期待金額価値の高い既存システム改修案を選ぶべきであり、さらに期待金額価値の比較において新規システム開発案が優先されるわけではないため不適切です。
選択肢エは、新規システム開発の期待金額価値が130億円となっていますが、計算結果は41億円であり、また期待金額価値の高い既存システム改修案が優先されるため不適切です。
各選択肢の解説
- ア
既存システムの改修 / 46
正しいです。改修案の期待収入は120×0.7+40×0.3=84+12=96億円で、投資額50億円を引いた期待金額価値は46億円です。新規開発案は141−100=41億円なので、期待金額価値が高い改修案(46億円)を採用します。
- イ
既存システムの改修 / 96
誤りです。96億円は、改修案の期待収入120×0.7+40×0.3=96億円そのもので、投資額50億円を引いていません。問題文は期待金額価値を「収入と投資額との差」と定義しているので、正しくは96−50=46億円です。
- ウ
新規システムの開発 / 41
誤りです。新規開発案の期待金額価値は180×0.7+50×0.3−100=126+15−100=41億円で、金額の計算自体は正しいです。しかし改修案の46億円より5億円低いため、期待金額価値の高い案として採用すべき案ではありません。
- エ
新規システムの開発 / 130
誤りです。130億円は、確率を考えずに需要拡大時180億円と縮小時50億円を単純に合計し、100億円を引いた値です。確率で重み付けすると180×0.7+50×0.3−100=41億円で、改修案の46億円に及びません。
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- 何が問われるか
- 経営戦略 → IT 戦略 → エンタープライズアーキテクチャ → 個別システム企画の連関。
- 学習の進め方
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