令和5年度 秋期 ITサービスマネージャ 午後問題
練習用オリジナル問題です
本ページの設問・題材・模範解答は、IPA 試験本番の出題傾向を模して作成した練習用オリジナル問題であり、 実際の試験で出題された問題ではありません。AI 採点機能の動作確認用としてご活用ください。 本番形式の学習には、実際の IPA 過去問(午前問題)をご利用ください。
⚠️ 練習用オリジナル問題です。本ページに掲載している午後問題は、IPA過去問の形式を模して作成した練習用オリジナル問題であり、実際の試験で出題された問題ではありません。
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ITサービス継続のための事業継続計画の策定と運用について
設問ア
0 / 800 字あなたが責任を担うITサービスの概要と、事業継続計画の策定に至った背景について、800字以内で述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 冒頭2-3行で対象(業種/規模/自身の役割)を提示し、文脈を即座に把握できる構成にする
- 背景は3要素以上を挙げ、具体的な数値や事実を添える
- 設問イへの橋渡しとして、最終段落で次の論点に着地させる
- 「私は〜の立場で」と主語を明示し、当事者性を担保する
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
私は、中堅企業におけるITサービス部門のITサービスマネージャとして、基幹業務システム(受発注・在庫管理・会計システム)の運用・管理を統括しています。このシステムは、全国の拠点と連携し、顧客からの注文受付から製品出荷、請求処理までを一貫してサポートする、当社の事業活動の根幹をなすITサービスです。24時間365日の稼働が求められ、特に日中の取引時間帯における可用性は極めて重要です。 事業継続計画(IT-BCP)の策定に至った背景は、主に二点あります。一点目は、近年多発する自然災害への危機感です。過去数年間で、地震や豪雨による広域停電が複数回発生し、当社のデータセンターや一部拠点のシステム稼働に影響を及ぼす可能性が顕在化しました。特に、電力供給停止や通信インフラの途絶が、基幹業務システムに与える影響は甚大であり、事業停止リスクを高める要因となっていました。 二点目は、クラウドサービスの利用拡大と外部委託の増加です。当社では、一部の周辺システムやバックアップ環境にクラウドサービスを活用し、システム開発・保守の一部を外部ベンダーに委託しています。これにより、自社単独では制御しきれないサプライチェーンリスクや、クラウドベンダーの障害が基幹システムに波及するリスクが認識され、これらを包括的に考慮した事業継続計画の必要性が高まりました。これらの背景から、ITサービスの継続性を確保し、事業停止リスクを最小化するためのIT-BCP策定が喫緊の課題となりました。
採点の観点
【A評価相当】 - 対象事業/プロジェクトの概要(規模/自身の立場)が具体的に記述されている - 背景・前提が複数の論点から立体的に分析されている - 設問イ・ウへの伏線として論点の構造化が為されている 【B評価相当】 - 概要は記載されているが規模感や立場が曖昧 - 背景の記述が単発的で構造化が弱い 【C評価相当(要改善)】 - どの組織でも当てはまる一般論 - 背景・前提が当該事業/プロジェクトに紐付いていない
設問イ
0 / 800〜1600 字設問アで述べた背景を踏まえて、あなたが策定したIT-BCPの内容と、策定上で重視した点を、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 全体像を冒頭で要約し、読み手に骨格を先に提示する(パラグラフ・ライティング)
- 「重視した点」は2〜3点に絞り、それぞれを独立した節として論述する
- 各重視点には『なぜそう判断したか』『代替案を取らなかった理由』を添える
- 設問アとの整合を1対1で対応させ、論理的整合性を見せる
- 数値(投資額/期間/顧客数/市場規模)を最低3箇所に織り込む
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
設問アで述べた背景を踏まえ、私はITサービスマネージャとして、基幹業務システムのIT-BCP策定を主導しました。策定にあたり、特に重視したのは以下の三点です。 第一に、業務影響度分析(BIA)に基づく復旧目標(RTO/RPO)の明確化です。全社的な事業継続計画(BCP)と整合性を図りつつ、各業務部門と連携し、基幹業務システムが停止した場合の財務的影響、顧客満足度への影響、法的・規制上の影響などを詳細に分析しました。その結果、受発注業務はRTO 4時間、RPO 15分以内を目標とし、在庫管理・会計業務はRTO 24時間、RPO 60分以内を目標と設定しました。この分析には、ISO 22301(事業継続マネジメントシステム)の考え方を参考に、事業継続上の優先度を明確にしました。 第二に、リスクに応じた多層的な復旧戦略の構築です。自然災害やシステム障害に備え、データセンターの冗長化に加え、遠隔地へのデータバックアップを強化しました。具体的には、主要データはリアルタイムで遠隔地のDRサイトへレプリケーションし、RPO 15分を達成できるようにしました。また、クラウドサービスを利用しているバックアップ環境については、異なるリージョンに分散配置することで、単一障害点のリスクを低減しました。さらに、サイバー攻撃対策として、サンドボックス環境での不審ファイル検知や、多要素認証の導入、定期的な脆弱性診断を計画に組み込みました。特に、外部委託先との連携については、契約書にBCPに関する条項を明記し、定期的な情報共有と共同訓練の実施を義務付けました。私は、外部委託先のBCP担当者と密に連携し、当社の要求事項を明確に伝え、彼らのBCPが当社のIT-BCPと整合していることを確認するプロセスを構築しました。この過程で、一部の委託先が当社の求めるRTO/RPOを満たせないことが判明しました。この**困難**に対し、私は代替委託先の検討と、既存委託先への技術支援(DRサイト構築支援)を提案し、最終的には既存委託先が要件を満たすよう改善計画を策定・実行することで合意形成を図りました。 第三に、実効性の高い復旧手順と役割分担の明確化です。災害発生時の初動対応から、システム復旧、業務再開までの詳細な手順書を作成しました。各手順には、担当者、責任者、連絡先を明記し、緊急連絡網も整備しました。特に、業務部門との連携を強化するため、IT部門だけでなく、総務、経理、営業などの関係部門の代表者をIT-BCP策定プロジェクトに参画させ、それぞれの役割と責任を明確にしました。また、復旧作業に必要な代替機器や資材の調達計画、緊急時の要員確保計画も具体化しました。この際、関係部門間での意見の相違や優先順位の調整が**困難**となる場面がありました。例えば、営業部門は顧客対応を最優先する一方で、経理部門は会計処理の正確性を重視するなど、利害が対立するケースです。私は、各部門の代表者を集めたワークショップを複数回開催し、事業全体への影響度を可視化することで、共通認識を醸成しました。その結果、各部門が自部門の視点だけでなく、全社的な視点から優先順位を判断できるようになり、円滑な合意形成を実現しました。これらの策定活動を通じて、ITIL 4のサービス継続管理のプラクティスを参考に、計画の網羅性と実効性を高めることを目指しました。
採点の観点
【A評価相当】 - 戦略/設計/計画/監査手続の内容が具体的に記述されている - 設問アの背景と論理的に対応している - 「重視した点」が3つ程度、それぞれに具体的判断と理由が明示されている - 数値(金額/期間/規模)が適切に織り込まれている 【B評価相当】 - 戦略/設計/計画は記述されているが、提供価値が一般論にとどまる - 重視点が単に列挙されているだけで判断理由が弱い - 設問アとの連携が弱く、戦略が独立して語られている 【C評価相当(要改善)】 - 標語の繰り返しで具体性に欠ける - 自身の役割が見えず、評論的記述に終始
設問ウ
0 / 600〜1200 字設問イで述べたIT-BCPについて、運用・訓練・改善の取り組み、関係者との合意形成、及び評価と今後の改善点を、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。
構成のポイント(ヒント)
- 経営層/関係者への説明と合意形成を、それぞれ独立段落で論じる
- 反対意見や困難の具体例を必ず1つ以上盛り込み、それへの対応を描く
- 評価点と改善点を明確に分け、改善点には今後への具体的アクションを添える
- 数値(期間/工数/合意までのステップ数)を散りばめて当事者性を担保する
参考解答・採点観点を読む(採点不要)
編集者作成の解答例です。設問条件を満たす別の表現も認められます。
設問イで述べたIT-BCPの実効性を確保するため、私は以下の運用・訓練・改善の取り組みを実施しました。 まず、定期的な訓練と見直しを計画に組み込みました。年に一度、全社規模での総合訓練を実施し、IT部門だけでなく、関係する業務部門も参加させ、初動対応、情報共有、代替拠点への移動、システム復旧、業務再開までの一連の流れをシミュレーションしました。特に、クラウドサービスの障害を想定した訓練では、外部委託先と連携し、彼らのDRサイトへの切り替え手順も検証しました。訓練後には必ずレビュー会議を開催し、課題を洗い出し、IT-BCPの改善点として反映させました。例えば、初年度の訓練では、緊急連絡網の一部に不備があることや、代替拠点でのネットワーク設定に時間を要することが判明しました。これを受け、連絡網の自動化ツールの導入と、代替拠点での事前ネットワーク設定の完了を改善策として実施しました。 次に、関係者との合意形成と意識向上に努めました。IT-BCPはIT部門だけの問題ではなく、全社的な取り組みであるという認識を浸透させるため、経営層への定期的な報告会を実施し、IT-BCPの重要性と進捗状況を共有しました。また、各部門のBCP担当者との定例会議を設け、情報共有と課題解決を図りました。これにより、IT-BCPが形骸化せず、常に最新の状態に保たれるよう関係部門との協力体制を構築しました。特に、個人情報保護法との整合性を確保するため、情報セキュリティ部門と連携し、災害時における個人情報の取り扱いについても明確な手順を定め、関係者への教育を徹底しました。 IT-BCPの評価と今後の改善点については、以下の成果と課題を認識しています。運用開始から3年が経過し、IT-BCPに基づく訓練を継続的に実施した結果、災害発生時の初動対応時間は平均で20%短縮され、システム復旧までの時間は平均で15%短縮されました。これは、訓練を重ねることで、関係者の習熟度が向上し、手順の最適化が進んだことによる定量的な成果です。また、外部委託先のBCPとの整合性も向上し、昨年発生した広域停電時には、外部委託先のDRサイトへの切り替えが計画通りに実施され、当社の基幹システムへの影響を最小限に抑えることができました。これにより、事業停止による機会損失を約50%削減できたと試算しています。 今後は、直接の委託先だけでなく、その再委託先や通信・電力などの依存関係も洗い出す。代替経路の有無と復旧見通しを確認し、自社の復旧目標と差があれば経営層に示して代替手段を決める。また、訓練で見つけた課題は担当者と期限を定め、次の訓練で是正を確認する。自動復旧の導入時も手動切替えを残し、担当者が不在でも継続できる手順にする。
採点の観点
【A評価相当】 - 関係者への説明・合意形成の両方を具体的に記述 - 「評価」と「改善点」が両方明示され、改善点には次への学びがある - 反対意見・困難への対応プロセスが具体的に描かれている - 自身の関与と判断が明確 【B評価相当】 - 説明や合意形成は記述されているが、困難の描写が弱い - 評価のみで改善点が形式的、または逆 【C評価相当(要改善)】 - 「説明した」「合意を得た」と結果のみで過程が不明 - 改善点が当たり障りのない一般論