高度試験の午後II論述は自己採点できない?
IT ストラテジスト(ST)・システムアーキテクト(SA)・プロジェクトマネージャ(PM)・IT サービスマネージャ(SM)・システム監査技術者(AU)の午後II論述。「答案は書けた。でも、これが合格レベルなのか分からない」——独学で論述に取り組む人が必ずぶつかる壁です。四択問題なら答え合わせができますが、論述は 自分で自分の答案を客観的に採点できない のが最大の難しさです。
本記事では、論述の自己採点がなぜ難しいのかを整理したうえで、IPA が公表する情報から読み取れる評価の観点・自己採点チェックリスト・第三者視点を補う方法を解説します。
本記事は 過去問AI が独自にまとめた学習ガイドです。試験要項や採点講評の最新情報は必ず IPA 公式ページ で確認してください。
なぜ論述は自己採点が難しいのか
四択と違い、論述には「唯一の正解」がありません。同じ設問でも、書く事例や切り口は人によって違います。そのうえで、自己採点が難しい理由は次の 3 つです。
- 正解が一意でない:模範解答が存在せず、「この書き方で点が来るのか」を自分では判定しづらい
- 主観が入る:自分の答案は「言いたいこと」が分かっているので、説明不足でも読めてしまう。第三者には伝わらない箇所に気づけない
- 第三者視点が得られない:独学では、採点者の目線で「具体性が足りない」「設問に答えていない」と指摘してくれる人がいない
つまり、論述の壁は「書けない」ことよりも、書いた後に良し悪しを判断できない ことにあります。書き方そのものに悩んでいる場合は、先に 高度試験の論述(午後II)が書けない人へ で構成と書き方を固めてから本記事に戻ってください。
IPA が公表する情報から読み取れる「評価の観点」
IPA は午後II論述の 正確な採点基準や配点を公表していません。ただし、各回の試験後に公開される 出題趣旨 と 採点講評 を読むと、繰り返し問われている評価の観点が見えてきます。代表的なものは次の通りです。
- 設問への適合度:設問が問うていることに、正面から答えているか
- 論理の一貫性:設問ア(事例)→イ(施策)→ウ(評価)が一本の筋で繋がっているか
- 具体性:数値・固有名詞・プロセス・体制など、実務の具体が書かれているか
- 実務としての再現性:「本当にこの人が実務でやったのか」と読める説得力があるか
採点講評では毎回のように「具体性に欠ける」「設問の趣旨を外している」「一般論に終始している」といった講評が繰り返されます。裏を返せば、この 4 つの観点を自分の答案で点検することが、自己採点の出発点になります。
自己採点チェックリスト
書いた答案を、次の観点で 1 つずつ「はい/いいえ」で点検してください。
- 適合度:各設問の「述べよ」「論ぜよ」に、章タイトルと第 1 文で正面から答えているか
- 論理:設問ア・イ・ウが、同じプロジェクト・同じ課題の流れで一貫しているか
- 具体性:各章に固有名詞・数値・期間・体制のいずれかが入っているか(抽象論だけの段落がないか)
- 再現性:「なぜ(Why)」だけでなく「どう実施したか(How)」が手順として書けているか
- 字数バランス:設問ア・イ・ウが指定字数の比率(おおむね 700/800/600〜700 字)に収まっているか
「いいえ」が付いた観点が、あなたの答案の弱点です。ただし、ここまでやっても 自分の答案は自分に甘くなりがち という限界が残ります。
第三者視点を補う:AI で採点の観点に沿ってフィードバックを得る
自己採点の限界を埋めるのが、第三者による採点です。とはいえ独学では添削者を確保しづらいため、過去問AI では 午後論述 AI 採点 を用意しています。設問ア・イ・ウで書いた答案を、AI が 「適合度・論理性・具体性・業種事例」の 4 軸 でフィードバックします(ST/SA/PM/SM/AU の区分別に対応)。
- 設問ごとに「良かった点・改善点・足りなかった要素」を提示
- A/B/C/不合格 のランク感で、現在地の目安を把握
- 業種別の観点でも見るため、自分の事例に即した指摘が返る
AI 採点は参考評価です。 IPA 公式の採点基準とは異なる場合があり、合否判定の根拠にはなりません。あくまで「採点の観点で自分の答案を客観視する」ための学習補助として使ってください。
自己採点 → AI採点 → 書き直しのループ
論述は、書いて終わりではなく 採点して直す ことで伸びます。次のループを回してください。
- 過去問の設問に対し、章立てを決めて 1 本書き切る
- 上のチェックリストで 自己採点(弱点を仮説立てする)
- 午後論述 AI 採点 に通し、観点別のフィードバックを得る
- 自己採点とのズレ(自分が見落としていた弱点)を確認する
- 弱い設問だけを書き直し、再び採点に通す
このループを 5 周も回すと、「自分の答案のどこが弱いか」を自力で見抜けるようになります。論述ネタの抽出に悩む場合は プロジェクトマネージャ午後II|論述ネタを業務から抽出する4つの問い も併せて参照してください。
まとめ
- 論述の壁は「書けない」より「書いた後に良し悪しを判断できない」こと
- IPA は採点基準を非公開だが、出題趣旨・採点講評から「適合度・論理・具体性・再現性」の観点が読み取れる
- まず自己採点チェックリストで弱点を仮説立てする
- 自分は自分に甘いので、AI 採点で第三者視点を補う(参考評価)
- 自己採点 → AI採点 → 書き直しのループで、採点眼そのものが鍛えられる
よくある質問
Q. IPA の正確な採点基準・配点を知る方法はありますか? 公開されていません。出題趣旨・採点講評(各回の試験後に IPA が公開)から評価の傾向を読み取るのが現実的な方法です。
Q. 自己採点だけで合格レベルに届きますか? 自己採点は弱点の仮説立てには有効ですが、自分の答案には甘くなりがちです。第三者視点(AI 採点や添削)と組み合わせるのが安全です。
Q. AI 採点の結果はそのまま合否の目安になりますか? 参考評価です。IPA 公式の採点とは異なる場合があるため、合否の根拠ではなく「観点別に弱点を見つける」用途で使ってください。
Q. どの区分から練習すればよいですか? 自分の受験区分で構いません。論述の評価観点(適合度・論理・具体性・再現性)は ST/SA/PM/SM/AU に共通します。区分ごとの論述のクセは 高度試験の論述(午後II)が書けない人へ の区分別の項を参照してください。