高度試験の論述(午後II)が書けない人へ
情報処理技術者試験の高度区分のうち、IT ストラテジスト(ST)・システムアーキテクト(SA)・プロジェクトマネージャ(PM)・IT サービスマネージャ(SM)・システム監査技術者(AU)は 午後II で 2,800 字程度の論述 が課されます。「何を書けばよいか分からない」「時間内に書き切れない」と挫折する受験者は多いです。本記事では、論述試験の合格答案の構成と書き方のコツを整理します。
本記事は 過去問AI が独自にまとめた学習ガイドです。試験要項の最新情報は必ず IPA 公式ページ で確認してください。
論述試験で何が問われているか
午後II 論述試験は、設問に対して「自分の実務経験を踏まえた具体的な事例」を論述する形式です。配点は 3 問構成(設問ア・イ・ウ)が標準で、それぞれ次の役割を担います。
- 設問ア(700 字程度):受験者が経験した事例・プロジェクトの概要・前提
- 設問イ(800 字程度):問われたテーマに対する施策・実施内容
- 設問ウ(600〜700 字程度):施策の評価・改善・今後の展望
採点基準は知識量ではなく、論理の一貫性・具体性・再現性 です。「あなたが本当に実務でこれを行ったのか」と問う読み手に対して、嘘のない説得力ある答案を書けるかが合否を分けます。
合格答案の構成パターン
合格答案の構成は次の流れが王道です。
- 章立てを最初に決める:設問ア・イ・ウ それぞれに章タイトルを書く
- 章タイトルは問いに対応:設問の「述べよ」に対応した名詞句で
- 第 1 文で結論を書く:論述試験は 結論先行型 が読みやすい
- 第 2 文以降で具体例・根拠を展開:数値・固有名詞・時間軸を入れる
- 段落末で次の論点へ橋渡し:論理の流れを切らない
これにより、採点者は答案を最初から読まなくても全体像が把握できます。
事例を「業務」から抽出する 4 つの問い
論述試験で最も悩むのは「どんな事例を書けばよいか」です。設問テーマに沿った事例を、自分の実務経験から抽出する 4 つの問いがあります。
- 過去 3 年で関わったプロジェクトは?
- そのプロジェクトで起きた課題は?
- その課題に対して自分はどう対応したか?
- 対応の結果、何が変わったか?
この 4 問の答えを書き出すと、設問ア(事例)・イ(施策)・ウ(評価)にそのまま対応します。詳しくは プロジェクトマネージャ午後II|論述ネタを業務から抽出する4つの問い を参照してください。
時間配分の鉄則
午後II の試験時間は 2 時間 です。時間配分の目安は次の通り:
- 問題選択:5 分(複数問題から 1 問を選ぶ)
- 章立て構築:10 分(設問ア・イ・ウ の各章タイトル+第 1 文)
- 設問ア執筆:25 分(700 字)
- 設問イ執筆:35 分(800 字)
- 設問ウ執筆:25 分(600〜700 字)
- 見直し・誤字修正:10 分
合格者ほど「章立てに時間を投資する」傾向があります。書き始めてから構成を考えると論理が破綻し、書き直しの時間が足りなくなります。
よくある失敗パターン
論述試験で不合格になる典型パターンは次の 5 つです。
失敗 1:抽象論で埋める
「重要である」「考慮すべきである」「課題が多い」など、抽象的な評論で字数を埋めると点が伸びません。固有名詞・数値・時間軸を入れて 具体性 を出すのが鉄則です。
失敗 2:設問に答えていない
設問ア・イ・ウ それぞれに 章タイトル を付け、設問の問いに対応していることを採点者に明示します。「論ぜよ」と問われたら「論ずる」、「述べよ」と問われたら「述べる」と冒頭で宣言します。
失敗 3:時系列が混乱する
「あの時こうした、その前にこうした、その後こうした」と過去を行き来すると論理が崩れます。時系列に沿って淡々と書く のが基本です。
失敗 4:3 章のバランス崩壊
設問ア が 1,500 字、設問イ が 500 字となるバランス崩壊は減点対象です。各章の指定字数を守るため、章立て時に マス目をカウントしながら書く 練習が必要です。
失敗 5:「Why」だけで「How」がない
「なぜ重要か」を語るだけで「どう実施したか」を具体的に書けないと、再現性が伝わりません。プロセス(手順)・体制・スケジュール・予算 を具体的に書きます。
添削サイクルの作り方
論述試験は独学では添削しにくいですが、AI コパイロットで補完できます。
- 過去問の設問 に対して 1 本の答案を書く
- AI コパイロットに「この答案の改善点を 3 つ挙げて」と依頼
- 改善点を反映して書き直す
- 5 本書き溜めたら、最初に書いた答案を読み返す
5 本書く頃には、論述構成の感覚が身体化します。完璧主義になりすぎず、まず書き切る経験を積みましょう。
各区分別の論述のクセ
各試験区分には、論述で求められる視点に微妙な違いがあります。
- ST:経営層視点で論述する(ITストラテジスト|経営層視点で論述するための語彙集)
- SA:トレードオフを言語化する(システムアーキテクト|トレードオフの言語化で合格答案を作る)
- PM:プロジェクトの課題と対応を語る(プロジェクトマネージャ午後II|論述ネタを業務から抽出する4つの問い)
- SM:ITIL 用語を物語に乗せる(ITサービスマネージャ|ITIL用語を物語に乗せる論述術)
- AU:監査人視点を貫く(システム監査技術者|監査人視点を貫く語彙と表現集)
まとめ
- 論述は結論先行型・章立て先行で書く
- 事例は実務経験を「4 つの問い」で抽出する
- 抽象論ではなく数値・固有名詞・プロセスで具体化する
- 時間配分:章立て 10 分 / 各章 25〜35 分 / 見直し 10 分
- AI コパイロットで 5 本書き溜めて添削サイクルを回す
よくある質問
Q. 実務経験が浅く、書く事例がありません。 業務で関わった小規模なプロジェクト・業務改善でも構いません。規模より「自分が何をしたか」が論述の核です。
Q. 嘘の事例を書いても良いですか? 推奨しません。設問の追加質問に答えられなくなる、再現性のない論述になるなど、減点リスクが高まります。実体験を脚色する程度に留めましょう。
Q. 字数を稼げません。書き終わったら 2,000 字でした。 具体性が不足している可能性があります。数値・固有名詞・プロセス・体制・スケジュール・予算・関係者を追加すれば、自然と字数が伸びます。
Q. 何本書けば合格レベルになりますか? 最低 5 本、安心するなら 10 本書きましょう。書く回数だけ論述スピードと構成力が伸びます。
Q. 論述試験の対策にどれくらい時間が必要ですか? 高度試験全体の学習時間 200〜300 時間のうち、論述対策に 50〜80 時間を割くのが目安です。