水トリーは,水分と電界が共存する状態で絶縁体中に微細な水の通り道が樹枝状に成長する劣化で,進展すると電気トリーに移行して絶縁破壊に至ることがある。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 電力 問4(4)
次の文章は,地中配電線路の高圧ケーブルに関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
地中配電線路の高圧ケーブルは,近年[(1)]が主に使用されており,絶縁体の材料には[(2)]が用いられている。
[(1)]の主な劣化要因としては[(3)]と[(4)]に大別することができる。
[(3)]は絶縁体内の異物,ボイドや突起が内在することによる局所的な高電界部での放電や,開閉サージ等によって樹枝状の絶縁劣化が進展する現象である。
一方,[(4)]は外傷箇所をはじめ,ケーブル接続部やシースを透過した水分の存在と電界の共存状態において発生する絶縁劣化現象で,絶縁体中に樹枝状に進展し,絶縁破壊に至るものが散見される。[(4)]の対策として,現状では三層同時押し出し方式の[(5)]タイプが普及したこと等により,大幅に絶縁破壊事象が減少した。
空欄(4)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
よって,空欄(4)の正答は(ロ)「水トリー」である。
各選択肢の解説
- (イ)
孔食
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「孔食」は金属表面に穴状に進む局部腐食である。
- (ロ)
水トリー
正しい。水トリーは,水分と電界が共存する状態で絶縁体中に微細な水の通り道が樹枝状に成長する劣化で,進展すると電気トリーに移行して絶縁破壊に至ることがある。
- (ハ)
E-E
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「E-E」は内部・外部半導電層とも押出しのタイプで,空欄(5)の正答である。
- (ニ)
E-T
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「E-T」は内部半導電層を押出し,外部半導電層をテープ巻きとしたタイプである。
- (ホ)
ポリ塩化ビニル
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「ポリ塩化ビニル」はCVTケーブルのシース(外装)の材料である。
- (ヘ)
電気トリー
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「電気トリー」は高電界部の部分放電で進む絶縁劣化で,空欄(3)の正答である。
- (ト)
CVQケーブル
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「CVQケーブル」は4心を撚り合わせたケーブルである。
- (チ)
化学トリー
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。化学トリーも樹枝状に進むが,硫化水素などの腐食性物質の浸入による劣化で,水分と電界の共存で発生する水トリーとは原因が異なる。
- (リ)
T-T
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「T-T」は内部・外部半導電層ともテープ巻きの旧来のタイプである。
- (ヌ)
架橋ポリエチレン
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「架橋ポリエチレン」は絶縁材料で,空欄(2)の正答である。
- (ル)
CVTケーブル
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「CVTケーブル」は3心撚り合わせの架橋ポリエチレン絶縁ケーブルで,空欄(1)の正答である。
- (ヲ)
異種金属腐食
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「異種金属腐食」は異なる金属の接触による腐食である。
- (ワ)
応力腐食
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「応力腐食」は応力と腐食環境が重なって起こる金属の割れである。
- (カ)
ブチルゴム
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「ブチルゴム」は旧来のゴム絶縁ケーブルの絶縁材料である。
- (ヨ)
BNケーブル
誤り。空欄(4)に入るのは,水分と電界の共存下で発生して樹枝状に進む劣化の名称で,正答は「水トリー」である。「BNケーブル」はブチルゴム絶縁ケーブルである。
分野「電力」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
- 電力高圧ケーブルの劣化
この問題を AI と深掘りする
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
関連する問題
電力 の他の問題
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(1)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(2)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(3)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(4)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
- 第二種電気主任技術者令和8年度 一次試験 電力 問1(5)次の文章は,火力発電所からのCO₂排出に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。 火力発電設備の熱効率を適正に維持することは,燃料消費量を低減し,CO₂排出量の抑制につながるため,大変重要である。例えば,汽力発電のボイラを運転するときには,…
他試験の同テーマ問題
トピック「電力・高圧ケーブルの劣化」を扱う他試験区分の過去問
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問1水力発電所に関する記述として、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問2総落差200m、ポンプ水車・発電電動機1台よりなる揚水発電所がある。揚水時・発電時共に流量は100 m³/s、損失水頭は揚水・発電共に総落差の2.5%、ポンプ効率・水車効率共に85%、発電効率・電動機効率共に98%とし、損失水頭及び上記4種の効率は、揚程、落差、出力、入力の変化に…
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問3一般的な排熱回収方式のガスタービンコンバインドサイクル発電を,同一出力の汽力発電と比較した記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問41 gのウラン235が核分裂し,0.09 %の質量欠損が生じたとき,発生するエネルギーを石炭に換算した値[kg]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,石炭の発熱量を25 000 kJ/kgとする。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 電力 問5燃料電池の原理と特徴に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
第二種電気主任技術者 の学習ガイド
モバイル片手演習でIPA試験の隙間時間を稼ぐ|通勤・昼休み・待ち時間の活用
IPA試験対策をモバイル片手で進めるための具体的な工夫を解説。通勤電車・昼休み・待ち時間で 1 日 30 分を稼ぐためのアプリ設定・演習ルーティンを紹介します。
過去問の誤答ふりかえり3ステップ|浅い見直しで時間を捨てないために
過去問演習で誤答した時に『なぜ間違えたか』を 3 ステップで構造化して見直す手順を解説。原因分類・対策メモ・類題演習で、同じミスを 2 回しない学習設計を紹介します。
過去問演習を分散学習で最適化する|エビングハウスとライトナーシステムの実践
分散学習(spaced repetition)の理論を、IPA過去問演習に落とし込む実践手順を解説。ライトナーシステムの活用、復習タイミングの設計、過去問AIでの自動化方法を紹介します。
AI学習ツールと予備校・通信講座の使い分け|IPA試験の最適な組み合わせ
IPA試験対策はAIツール一択ではなく、予備校・通信講座との使い分けが鍵。それぞれの強み・弱みと、組み合わせるべき学習者のタイプ別パターンを解説します。