三相3線式線路の電圧降下の近似式を用いる。
v ≒ √3 × (R × I有効 + X × I無効)
(I有効 = I cosθ、I無効 = I sinθ)
図のような、A点及びB点に負荷を有する三相3線式高圧配電線がある。電源側S点の線間電圧を6 600 Vとするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、配電線1線当たりの抵抗及びリアクタンスはそれぞれ0.3 Ω/kmとする。
(b) B点における線間電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
三相3線式線路の電圧降下の近似式を用いる。
v ≒ √3 × (R × I有効 + X × I無効)
(I有効 = I cosθ、I無効 = I sinθ)
各区間の1線当たりのインピーダンス(区間長2 km)
・R = 0.3 × 2 = 0.6 Ω
・X = 0.3 × 2 = 0.6 Ω
各負荷電流の成分(A点とB点の電圧の位相差は小さいので無視する)
・A点負荷(200 A、遅れ力率0.8、sinθ = 0.6):有効成分200 × 0.8 = 160 A、無効成分200 × 0.6 = 120 A
・B点負荷(100 A、遅れ力率0.6、sinθ = 0.8):有効成分100 × 0.6 = 60 A、無効成分100 × 0.8 = 80 A
S-A間の電圧降下
S-A間にはA点負荷とB点負荷の両方の電流が流れる。
・有効成分:160 + 60 = 220 A
・無効成分:120 + 80 = 200 A
v_SA = √3 × (0.6 × 220 + 0.6 × 200) = √3 × 252 ≒ 436.5 V
A-B間の電圧降下
A-B間にはB点負荷の電流だけが流れる(有効成分60 A、無効成分80 A)。
v_AB = √3 × (0.6 × 60 + 0.6 × 80) = √3 × 84 ≒ 145.5 V
S-B間の電圧降下の合計
v = v_SA + v_AB = √3 × 336 ≒ 582.0 V
B点の線間電圧
V_B = 6 600 − 582.0 ≒ 6 018 V
よって最も近いのは6 020 Vであり、正答は(1)である。
6 020
正しい。S-A間の降下√3 × 252 ≒ 436.5 VとA-B間の降下√3 × 84 ≒ 145.5 Vの合計は√3 × 336 ≒ 582 V。B点の線間電圧は6 600 − 582 ≒ 6 018 Vとなり、6 020 Vが最も近い。
5 770
誤り。5 770 Vは、力率を考慮せずに各区間の電流の大きさに(R + X)をそのまま掛け、S-A間の電流を200 + 100 = 300 Aとした場合の値と一致する。このとき電圧降下は√3 × (0.6 + 0.6) × 300 + √3 × (0.6 + 0.6) × 100 = √3 × 480 ≒ 831.4 Vとなり、B点の線間電圧は6 600 − 831.4 ≒ 5 769 Vとなる(S-A間の電流を有効・無効成分から求めた大きさ√(220² + 200²) ≒ 297.3 Aとしても約5 774 Vで、同じく5 770 Vが最も近い)。電圧降下の近似式は√3 × I × (R cosθ + X sinθ)であり、抵抗には電流の有効成分、リアクタンスには無効成分を掛ける。電流の大きさに(R + X)を掛けることはcosθとsinθをともに1とみなすことに相当し、降下を過大に見積もる。正しい電圧降下は約582 Vで、B点の線間電圧は約6 018 Vである。
6 460
誤り。6 460 Vは、A-B間の電圧降下√3 × 84 ≒ 145.5 Vだけを6 600 Vから引いた約6 454.5 Vに最も近い値である。S-A間にもA・B両負荷の電流による降下√3 × 252 ≒ 436.5 Vが生じるため、この区間の降下を除いてはならない。
6 130
誤り。S-A間の降下√3 × 252 ≒ 436.5 Vだけを考えると、A点の線間電圧は6 600 − 436.5 ≒ 6 164 Vとなり、選択肢の中では6 130 Vが最も近くなる。しかし問われているのはB点の電圧であり、B点ではさらにA-B間の降下約145.5 Vが加わって約6 018 Vとなる。
6 260
誤り。6 260 Vは、√3を掛けずに電圧降下を252 + 84 = 336 Vとした場合の6 600 − 336 = 6 264 Vに最も近い値である。三相3線式の線間電圧の降下には√3を掛ける必要があり、正しい電圧降下は約582 Vである。
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
電力 の他の問題
トピック「電力」を扱う他試験区分の過去問
第三種電気主任技術者 の同じ分野を年度をまたいで演習する
モバイル片手演習でIPA試験の隙間時間を稼ぐ|通勤・昼休み・待ち時間の活用
IPA試験対策をモバイル片手で進めるための具体的な工夫を解説。通勤電車・昼休み・待ち時間で 1 日 30 分を稼ぐためのアプリ設定・演習ルーティンを紹介します。
過去問の誤答ふりかえり3ステップ|浅い見直しで時間を捨てないために
過去問演習で誤答した時に『なぜ間違えたか』を 3 ステップで構造化して見直す手順を解説。原因分類・対策メモ・類題演習で、同じミスを 2 回しない学習設計を紹介します。
過去問演習を分散学習で最適化する|エビングハウスとライトナーシステムの実践
分散学習(spaced repetition)の理論を、IPA過去問演習に落とし込む実践手順を解説。ライトナーシステムの活用、復習タイミングの設計、過去問AIでの自動化方法を紹介します。
AI学習ツールと予備校・通信講座の使い分け|IPA試験の最適な組み合わせ
IPA試験対策はAIツール一択ではなく、予備校・通信講座との使い分けが鍵。それぞれの強み・弱みと、組み合わせるべき学習者のタイプ別パターンを解説します。