日本の著作権法では、著作権は原則として著作物を創作した者に帰属します。
令和7年度 秋期 情報処理安全確保支援士 午前II 問23
問23 商用目的で開発するソフトウェアの開発請負契約書には、企業間で様々な事項を取り決めておく必要がある。この開発請負契約書に取決めがない場合に、ソフトウェアの著作権の帰属先に関する説明として、適切なものはどれか。ここで、ソフトウェアは注文者から委託された請負人が開発するものとする。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
ソフトウェア開発請負契約においては、実際にソフトウェアを開発・制作する行為を行ったのは請負人です。したがって、契約書に著作権の帰属に関する特段の定めがない限り、著作権は請負人に帰属するのが原則となります。
各選択肢の解説
- ア
請負人,注文者のどちらにも帰属しない。
誤りです。著作権法では、著作物を創作した者が著作者です(第2条第1項第2号)。著作権は、創作と同時に何の手続もなく著作者に発生します(第17条)。請負で開発されたソフトウェアにも著作権は発生し、実際に創作した請負人に帰属します。そのため、どちらにも帰属しない状態にはなりません。
- イ
請負人と注文者の両方に帰属する。
誤りです。注文者は開発を委託して代金を支払う立場であり、プログラムを創作した者ではありません。そのため、契約に定めがなければ著作権を取得しません。共同著作物(第2条第1項第12号)は、二人以上が共同して創作し、かつ各人の寄与を分離して個別に利用できない著作物を指します。請負という関係だけで、自動的に両者の共有になることはありません。
- ウ
請負人に帰属する。
正しいです。著作権は、著作物を創作した著作者に原始的に帰属します。職務著作(著作権法第15条)は、法人等とその業務に従事する者の間で成立するものです。独立した事業者である注文者と請負人の間には成立しません。そのため、譲渡の取決めがなければ、開発した請負人が著作権をもちます。請負企業の従業員が作成した場合も、第15条第2項の要件を満たせば、著作者は請負企業となります。要件は、請負企業の発意に基づくこと、職務上作成したこと、勤務規則等に別段の定めがないことです。
- エ
注文者に帰属する。
誤りです。注文者が代金を支払い、成果物の納品を受けても、それだけで著作権が移転するわけではありません。注文者が著作権を得るには、請負人との間で著作権を譲渡する合意が必要です。通常は、その合意を契約書の条項として明記します。さらに第61条第2項により、翻案権等(第27条・第28条の権利)を特掲しないと、それらは譲渡した請負人に留保されたものと推定されます。
分野「法規」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
この問題を AI と深掘りする
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
関連する問題
法規 の他の問題
- 情報セキュリティスペシャリスト2009年度 秋期 午前II 問23開発した製品で利用している新規技術に関して特許の出願を行った。日本において特許権の取得が可能なものはどれか。
- 情報セキュリティスペシャリスト2010年度 春期 午前II 問7経済産業省告示の“ソフトウェア等脆弱性関連情報取扱基準”における Web アプリケーションに関する脆弱性関連情報の適切な取扱いはどれか。
- 情報セキュリティスペシャリスト2012年度 春期 午前II 問23開発した製品で利用している新規技術に関して特許の出願を行った。日本において特許権の取得が可能なものはどれか。
- 情報セキュリティスペシャリスト2015年度 秋期 午前II 問23特許権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 情報処理安全確保支援士2017年度 秋期 午前II 問23企業間で、商用目的で締結されたソフトウェアの開発請負契約書に著作権の帰属が記載されていない場合,著作権の帰属先として、適切なものはどれか。
他年度の「法規」問題
情報処理安全確保支援士 の同じ分野を年度をまたいで演習する
- 令和6年度 春期情報処理安全確保支援士 午前II 問25金融庁“財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準 (令和5年)”における、ITに係る全般統制に該当するものとして、最も適切なものはどれか。
- 令和5年度 春期情報処理安全確保支援士 午前II 問23プログラムの著作権管理上,不適切な行為はどれか。
- 令和4年度 春期情報処理安全確保支援士 午前II 問8総務省及び国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が2019年2月から実施している取組“NOTICE”に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 令和2年度 10月試験情報処理安全確保支援士 午前II 問25プライバシーマークを取得しているA社は、個人情報管理台帳の取扱いについて内部監査を行った。判明した状況のうち、監査人が指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
情報処理安全確保支援士 の学習ガイド
情報処理安全確保支援士のメリット|年収・転職・登録制資格の価値
情報処理安全確保支援士(SC・登録セキスペ)取得のメリットを、年収・転職市場・業務範囲・登録制資格の側面から解説。費用対効果と登録後の維持コストもまとめます。
情報処理安全確保支援士 午後(記述式)対策|記述問題の答え方と頻出テーマ
情報処理安全確保支援士(SC)の午後は記述式(2023年秋から午後I・II統合で150分・4問中2問選択)。記述問題の答え方・頻出テーマ(インシデント対応・ゼロトラスト・クラウドセキュリティ)ごとの解答の組み立て方を紹介します。
情報処理安全確保支援士試験 出題傾向の最新分析【2026年最新】|増えた論点・捨て論点
情報処理安全確保支援士試験の直近2年の出題傾向を分析し、増加している新論点・減少している論点・捨てて良い論点を整理。学習計画の優先度付けに活用できます。
情報処理安全確保支援士試験 過去問の解き方完全ガイド|AI解説で時短する5ステップ
情報処理安全確保支援士試験の過去問を効率的に回すための5ステップを紹介。AIコパイロットを使った時短解説の取り方、復習タイミング、選択肢分析の手順までまとめました。