高度試験の論文は評価ランクで決まる — A判定(合格)とB/C/D(不合格)の違い
「プロジェクトマネージャの論文は何点取れば合格?」——実は 高度試験 の論述区分(ST / SA / PM / SM / AU)の 午後II論文には「○点」という得点がありません。午後II の論文は 評価ランク A・B・C・D の 4 段階 で判定され、A 以外はすべて不合格 です。本記事は IPA が公表している範囲で、論文の評価ランクの仕組みと、A 判定に近づけるための考え方を整理します。
本記事は 過去問AI が独自にまとめた学習ガイドです。評価方法・採点に関する正式な情報は必ず IPA 公式ページ で確認してください。
午後IIだけは「点数」ではなく「評価ランク」
高度試験は 午前I・午前II・午後I・午後II の段階で構成され、午前I〜午後I は 100 点満点・基準点 60 点 の素点方式です(段階ごとの基準点と採点順は 高度試験は何点で合格? を参照)。一方、論述区分の 午後II 論文だけは A・B・C・D の評価ランク で判定され、A の場合のみ合格 となります。
| 評価ランク | 合否 |
|---|---|
| A | 合格 |
| B | 不合格 |
| C | 不合格 |
| D | 不合格 |
「あと一歩で B」では合格できません。論述区分の合否は、最終的にこの A を取れるか取れないか の一点に集約されます。なお、IPA は B・C・D それぞれの細かな線引き基準を公表していないため、本記事のランク像はあくまで一般的な目安です。
A判定に至る前に「採点されない」関門がある
注意したいのは、そもそも午後II が採点されるとは限らない ことです。高度試験は多段階選抜方式で、午前I・午前II・午後I のいずれかで基準点(60 点)に届かないと、その先は採点されず不合格 になります。
つまり、どれだけ完成度の高い論文を書いても、午前・午後I で脱落していれば評価ランクが付くことすらありません。論文対策に集中するためにも、まず前半の関門を確実に通過することが大前提です(足切りの詳細は 高度試験は何点で合格? で解説しています)。
IPAが公表する「評価の視点」
IPA は午後II論述式試験の採点について、次のような 評価の視点 を公表しています。
- 設問で要求した項目の充足度
- 論述の具体性
- 内容の妥当性
- 論理の一貫性
- 見識に基づく主張
- 洞察力・行動力
- 独創性・先見性
- 表現力・文章作成能力
さらに、問題冊子で示された 「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず、その程度によって評価を下げる ことがあるとされています。指定された章立て・字数・観点を外すと、中身が良くても A に届かないということです。
B・C・Dで止まる答案の傾向
ランクの細かな基準は非公開ですが、一般に A 以外で止まる答案 には次のような傾向があるとされています(目安)。
- 設問の問いに正面から答えていない:「述べよ」に対して一般論の評論で埋めてしまう
- 具体性が乏しい:固有名詞・数値・体制・時間軸がなく、「誰でも書ける」抽象論になっている
- 論理が一貫していない:設問ア(事例)と設問イ・ウ(施策・評価)がつながっていない
- 指示違反:字数不足、章立て無視、題意から外れたテーマ選択
- D の典型:白紙に近い、または設問とまったく無関係な内容
裏を返せば、A に近づける鍵は 題意に正面から答え、自分の実務経験を具体的に書き、最後まで論理を一貫させる ことです。書き方の型は 高度試験の論述(午後II)が書けない人へ で詳しく整理しています。なお、字数不足や設問ウが薄くなる失点の多くは時間切れが原因です。120分をどう配分すれば最後まで書き切れるかは 高度試験の論文(午後II)の時間配分 を参照してください。
A判定をめざす答案の磨き方
論文対策の最大の難所は、自分の答案が A 相当かどうかを独力で判断できない ことです。点数で返ってこないため、模試以外では客観的なフィードバックを得にくいのが論述区分の特徴です。
過去問AI の 午後II論文 AI採点(ST・SA・PM・SM・AU 対応)では、書いた論文草案を 題意適合・論理性・具体性 などの観点で確認できます。IPA の採点基準は非公開のため合否を保証するものではなく、あくまで学習の目安としての 参考評価 ですが、「どの観点が弱いか」を可視化して書き直すループを回すのに役立ちます。
各区分の論文の特徴やテーマ傾向は、プロジェクトマネージャの合格論文 など区分別の記事も参考にしてください。
まとめ
- 論述区分(ST・SA・PM・SM・AU)の 午後II論文は点数ではなく評価ランク A/B/C/D
- A のみ合格、B・C・D は不合格(B・C・D の細かな基準は非公開)
- 午前I・午前II・午後I で脱落すると 午後II は採点されない(多段階選抜)
- IPA の評価の視点は「題意の充足度・具体性・論理の一貫性」など。指示違反は内容に関わらず減点
- A に近づける鍵は「題意に正面から答える・具体的に書く・論理を一貫させる」。独力で判断しにくいので AI採点で弱点を可視化する
よくある質問
Q. 高度試験の論文は何点取れば合格ですか? 論述区分(ST・SA・PM・SM・AU)の午後II論文には点数がありません。A・B・C・D の評価ランクで判定され、A の場合のみ合格です。B 以下はすべて不合格です。
Q. 評価ランクBだと合格できませんか? できません。合格となるのは評価ランク A のみで、B・C・D は不合格です。「あと少しで B」でも合否は不合格側になります。
Q. 論文の評価ランクはどんな観点で付きますか? IPA は「設問で要求した項目の充足度」「論述の具体性」「内容の妥当性」「論理の一貫性」などを評価の視点として公表しています。加えて、問題冊子の指示に従わない場合は内容にかかわらず評価を下げることがあります。
Q. Dランクはどんな場合に付きますか? 一般に、白紙に近い答案や、設問とまったく無関係な内容を書いた場合に付くとされています。IPA は各ランクの厳密な基準を公表していないため目安ですが、まずは設問の問いに正面から答えることが前提になります。
Q. 自分の論文がA相当か独学で確かめる方法はありますか? 点数で返ってこないため独力での判断は難しいです。過去問AI の午後II論文 AI採点では、答案を題意適合・論理性・具体性などの観点で参考評価できます(採点基準は非公開のため参考評価です)。模試や添削サービスと併用すると客観性が高まります。