高度試験の論文(午後II)の時間配分
「設問ウまでたどり着く前に時間切れになる」「設問イを書いていたら残り20分しかなかった」——ST・SA・PM・SM・AUの午後II論文は、120分で手書き3,000字前後を書き切る 試験です。知識や経験があっても、時間配分を設計せずに書き始めると最後の設問が薄くなり、評価を落とします。本記事は論文区分(論述式)に共通する、120分の使い方を整理します。
本記事は 過去問AI が独自にまとめた学習ガイドです。採点基準は IPA 非公開のため、本記事の内容はあくまで一般的な目安です。試験要項の最新情報は必ず IPA 公式ページ で確認してください。
なぜ午後II論文は時間が足りなくなるのか
午後IIは 120分・2問から1問を選択し、設問ア〜ウの3段構成 で論述します。字数の目安は次のとおりで、合計3,000字前後(おおむね2,400〜3,200字)になります。
- 設問ア(背景・概要):600〜800字
- 設問イ(取り組み・工夫):1,600字前後
- 設問ウ(評価・改善):600〜800字
時間切れの典型は、午前の四択や午後Iの記述とは別の原因で起きます。
- 問題選択に迷い、書き始めが遅れる:2問を読み比べているうちに10分以上を消費する
- 骨子を作らず書き始める:途中で論旨がずれ、書き直し・つじつま合わせで時間を溶かす
- 設問イに没頭する:一番厚く書く設問イに引き込まれ、設問ウを書く時間が残らない
つまり原因は「書く速さ」よりも、書く前の設計と、設問ごとの上限を決めていないこと にあります。
120分の基本配分:選択10分・骨子20分・執筆80分・見直し10分
おすすめは、書き始める前に「選択」と「骨子」へ30分を投資する配分です。
- 問題選択(約10分):2問の設問ア〜ウにざっと目を通し、自分の経験で具体的に書けるテーマ を選ぶ。技術的な華やかさより「設問ウまで具体例を出し切れるか」で選ぶ
- 骨子設計(約20分):設問ア・イ・ウの骨子を箇条書きでメモする。ここで論旨の一貫性を固める のが最重要。設問アで宣言した背景・課題が、設問イの施策、設問ウの評価まで一本の線でつながるかを先に確認する
- 執筆(約80分):骨子に沿って一気に書く。設問ごとに上限時間を決める(次節)
- 見直し(約10分):誤字・脱字、字数の過不足、そして 問題冊子の指示に従っているか を確認する
書く前の30分を惜しんで執筆に回すと、結局は途中の書き直しで失います。骨子のある論文は、骨子のない論文より速く・一貫して書けます。
執筆80分を設問ア〜ウへどう割るか
執筆の80分は、字数の重みに比例させて配分します。
| 設問 | 字数の目安 | 執筆時間の目安 |
|---|---|---|
| 設問ア(背景・概要) | 600〜800字 | 約15分 |
| 設問イ(取り組み・工夫) | 1,600字前後 | 約45分 |
| 設問ウ(評価・改善) | 600〜800字 | 約20分 |
合計で約80分です。手書きで3,000字を80分で書くには 1分あたり35〜40字 のペースが必要になり、これは本番でいきなり出せる速度ではありません。日頃から手書きで書く練習をして、自分のペースを把握しておきましょう。
ポイントは 設問イに最も時間(と字数)を割く ことです。設問イは「どう判断し、どう工夫したか」を最も具体的に書く中心部で、ここが薄いと「具体性不足」と判断されやすくなります。一方で、設問イに夢中になって45分を超えそうになったら、いったん切り上げて設問ウへ進みます。白紙の設問ウより、薄くても埋めた設問ウのほうが評価されます。
設問ごとに「撤退時刻」を決めておく
時間配分が崩れる最大の原因は「気づいたら一つの設問に時間をかけすぎていた」です。本番では時計を見て、設問ごとの終了予定時刻 をあらかじめ決めておきます。
- 開始から30分(選択+骨子)が終わったら執筆開始
- 執筆開始から15分で設問アを切り上げる
- 60分(執筆45分)で設問イを切り上げる
- 80分(執筆65分)で設問ウへ入り、残り10分は見直し
予定時刻を超えたら、完成度が不十分でも次へ進みます。3つの設問をひととおり埋めること が、一つの設問を磨き込むより優先されます。論文は点数ではなく評価ランクで判定され、設問の取りこぼし(題意未充足)は大きく響くためです(採点の仕組みは 高度試験の論文は評価ランクで決まる を参照)。
見直し10分でやること
最後の10分は、内容の改善より 失点の回避 に使います。
- 字数:各設問が目安字数に届いているか。極端に短い設問は要素を1つ足す
- 指示違反のチェック:問題冊子が指定した観点・条件に答えているか。指示に従わない論文は、内容が良くても評価を下げられることがある
- 誤字・脱字・主語の欠落:読み手が論旨を追えるか
- 設問アで設定した数値・固有名詞が、設問イ・ウと矛盾していないか
新しい論点を足す時間はありません。10分は「書いたものを減点されない状態に整える」ために使い切ります。
書く前の設計と、書いた後の採点でループを回す
時間配分の精度は、本番でいきなり上がるものではありません。過去問のテーマで120分通しの論文を1本書く 練習を繰り返し、選択・骨子・執筆・見直しに実際何分かかるかを記録するのが近道です。
書いた論文は、書きっぱなしにすると弱点が分かりません。過去問AI の 午後II論文 AI採点 に答案を提出すると、題意適合・論理性・具体性などの観点で 参考評価 を受けられます(IPA の採点基準は非公開のため、合否を保証するものではなく学習の目安としての参考評価です)。書く前の骨子づくりは AI コパイロットに「この設問アの骨子に抜けている観点を指摘して」と相談し、書いた後は AI採点で弱い設問を可視化する——この往復で、限られた120分の中身が濃くなります。
まず1本、120分を測って書く
時間配分は読むだけでは身につきません。論述区分(ST・SA・PM・SM・AU)の過去問テーマで、選択10分・骨子20分・執筆80分・見直し10分 を時計で測りながら1本書いてみましょう。設問ごとの撤退時刻を決めておくだけで、設問ウまで書き切れる確率は大きく上がります。
論文の構成・書き方そのものは 高度試験の論述(午後II)が書けない人へ で、書いた後の自己採点は 論述式の答案を自己採点する方法 で整理しています。
まとめ
- 午後IIは120分・設問ア〜ウで合計3,000字前後。時間切れは「書く速さ」でなく 設計不足 が原因
- 120分は 選択10分・骨子20分・執筆80分・見直し10分 を基本に組む
- 執筆80分は字数の重みで配分(ア15分・イ45分・ウ20分)。設問イに最も厚く、ただし上限を決めて切り上げる
- 設問ごとの撤退時刻を決め、3つの設問をひととおり埋める ことを最優先にする
- 見直し10分は失点回避(字数・指示違反・誤字・数値の矛盾)に使い切る
よくある質問
Q. 午後II論文は何分で、どんな構成ですか? 午後IIは120分で、2問から1問を選択し、設問ア〜ウの3段構成で論述します。字数の目安は設問ア600〜800字・設問イ1,600字前後・設問ウ600〜800字で、合計3,000字前後です。本記事の時間配分はあくまで目安なので、最新の試験要項は IPA 公式ページで確認してください。
Q. 設問ウまで書き切れず時間切れになります。 設問イに時間をかけすぎているケースが大半です。設問ごとに終了予定時刻を決め、超えたら完成度が不十分でも次へ進んでください。薄くても埋めた設問ウのほうが、白紙より評価されます。書く前に20分かけて設問ア〜ウの骨子を作っておくと、途中の書き直しが減り全体が速くなります。
Q. 手書きで3,000字を120分で書くのは現実的ですか? 執筆に充てる約80分で3,000字なら1分あたり35〜40字のペースで、日頃から手書きで書く練習をしていれば届く水準です。本番でいきなり出せる速度ではないため、過去問テーマで120分通しの論文を書き、自分の手書きペースを事前に把握しておくことが大切です。
Q. 時間内に書けるようになる練習法はありますか? 過去問のテーマで120分を計りながら1本通しで書き、選択・骨子・執筆・見直しに実際何分かかったかを記録してください。書いた論文は過去問AIの 午後II論文 AI採点 で題意適合・論理性・具体性の観点で参考評価でき、弱い設問を可視化できます(採点基準は非公開のため参考評価です)。