スループット(データ転送)の計算は、IPA 午前四択で繰り返し出題される定番です。公式に当てはめるだけで解けますが、最大のつまずきは『ビット』と『バイト』の取り違えです。ここを機械的に揃えるだけで、安定した得点源に変えられます。
出発点はビットとバイトの変換です。回線速度は bps(ビット毎秒)で与えられ、ファイルサイズはバイト(B)で与えられるのが普通です。1 バイト = 8 ビットなので、回線速度(bps)を 8 で割れば 1 秒あたりに送れるバイト数になります。例えば 80 Mbps の回線なら、80 ÷ 8 = 10 M バイト毎秒です。逆にバイトを bps に揃えたいときは 8 倍します。どちらに揃えても構いませんが、計算前に必ず単位を片方へ統一します。
次が伝送効率(実効速度)です。実際の回線では、ヘッダや再送のオーバヘッドがあり、表記速度の 100% は出ません。実効速度 = 回線速度 × 伝送効率 で求めます。例えば 100 Mbps の回線で伝送効率が 0.8 なら、実効速度は 100 × 0.8 = 80 Mbps です。問題文に伝送効率(利用率)が出てきたら、必ず実効速度へ直してから先へ進みます。
転送時間は、転送時間 = データ量 ÷ 実効速度 で求めます。ここでも単位の統一が要です。データ量をビットに揃えるなら、800 M バイトのファイルは 800 × 8 = 6,400 M ビット。これを実効速度 80 Mbps で割ると、6,400 ÷ 80 = 80 秒です。『バイトのまま bps で割る』とちょうど 8 倍ずれるので、割り算の前に左右の単位が一致しているかを指差し確認します。
仕上げは単位の桁と圧縮です。通信の K・M・G は 10 の 3 乗刻み(1 Mbps = 100 万 bps)で、記憶容量の 1,024 刻みとは異なる点に注意します。データ圧縮率が与えられた場合は、実際に流れるデータ量が減るので、圧縮後のデータ量で割ります。圧縮率 50%(半分になる)なら、転送するデータ量も転送時間も半分です。
練習問題: 回線速度 1 Gbps・伝送効率 0.5 の回線で、4 G バイトのデータを転送するのに何秒かかるでしょうか。実効速度はいくつになり、データ量をどの単位へ揃えればよいかを考えてみてください。過去問AI の AI コパイロットに『このスループットの問題の解き方を教えて』と聞くと、単位変換から所要時間まで手順がステップごとに表示されます。