受電端電圧が異常に低下し,負荷増加に対して電圧を維持できなくなる現象を電圧不安定現象(電圧崩壊)という。P-V曲線の限界に近づかないよう,重負荷時は電圧を高めに運用する。
令和8年度 一次試験 第二種電気主任技術者 法規 問7(2)
法令基準日: 2026-04-01(この日の制度で解答)
次の文章は,電力系統における電圧・無効電力調整に関する記述である。文中の[ ]に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
電力系統においては,負荷の変化あるいは系統の運用状況によって,系統内の電流が変化するとともに各所の電圧が変動する。需要家地点における電圧の大幅な変動は,需要家の電気機器の正常な使用や寿命などに影響を与える。また,電圧が低下すると同じ電力を送電するために送電線の電流が増加し,[(1)]が増加する。さらに,電力需要の急増等により受電端電圧が異常に低下し電圧維持が困難になる[(2)]を避けるために,重負荷状態においては電圧を高めに運用する必要もある。
このため,電力供給側においては,需要家に対する供給点及び電力系統内の各所の電圧が適正な値となるよう,変圧器の負荷時タップ切替装置による[(3)]制御を行うとともに,調相設備の投入・開放や発電機の[(4)]等による無効電力制御を行っている。
また,需要家の電気設備の負荷が誘導電動機等の影響で遅れ力率の場合に,[(5)]を設置して力率を100 %に近づけることで,受電変圧器等の設備容量を削減できるだけでなく,電力系統における電圧降下及び[(1)]の低減の効果も得られる。一方,軽負荷期には,電圧上昇が問題になっており,一般送配電事業者は,電圧調整のために必要があるときは,需要家の[(5)]を開放するよう依頼している。
空欄(2)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
選択肢
解説
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結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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よって,空欄(2)の正答は(カ)「電圧不安定現象」である。
各選択肢の解説
- (イ)
フリッカ
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。フリッカはアーク炉等の負荷変動による電圧変動現象で,重負荷時に受電端電圧が異常低下して電圧維持が困難になる現象ではない。
- (ロ)
変圧比
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「変圧比」は変圧器の一次・二次電圧の比で,空欄(3)の正答である。
- (ハ)
フェランチ効果
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。フェランチ効果は軽負荷時に受電端電圧が上昇する現象で,重負荷時の電圧低下とは逆向きの現象である。
- (ニ)
速度調整
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「速度調整」は発電機の回転速度(有効電力・周波数)を調整する操作である。
- (ホ)
電圧調整器
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「電圧調整器」は配電線等に設置する電圧調整用の機器の名称である。
- (ヘ)
励磁調整
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「励磁調整」は発電機の励磁電流を調整する操作で,空欄(4)の正答である。
- (ト)
高調波
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「高調波」は基本波の整数倍の周波数成分である。
- (チ)
周波数
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「周波数」は有効電力の需給バランスで決まる電気量である。
- (リ)
位相
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「位相」は交流の角度を表す電気量である。
- (ヌ)
瞬時電圧低下
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。瞬時電圧低下は事故時に短時間だけ電圧が下がる現象で,需要増加により電圧維持が困難になる現象ではない。
- (ル)
送電損失
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「送電損失」は電流の2乗に比例する損失で,空欄(1)の正答である。
- (ヲ)
分路リアクトル
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「分路リアクトル」は遅れ無効電力を消費して電圧上昇を抑える調相設備である。
- (ワ)
出力調整
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「出力調整」は発電機の有効電力を調整する操作である。
- (カ)
電圧不安定現象
正しい。受電端電圧が異常に低下し,負荷増加に対して電圧を維持できなくなる現象を電圧不安定現象(電圧崩壊)という。P-V曲線の限界に近づかないよう,重負荷時は電圧を高めに運用する。
- (ヨ)
電力用コンデンサ
誤り。空欄(2)に入るのは,重負荷時に受電端電圧が異常に低下して電圧維持が困難になる現象の名称で,正答は「電圧不安定現象」である。「電力用コンデンサ」は進み無効電力を供給する調相設備で,空欄(5)の正答である。
分野「法規」の学習ポイント
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- 何が問われるか
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- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
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