開閉器Sを投入すると、A-B-S-C-D-Aが閉じたループ(環状配電線路)となり、電源Aから2方向(A→BとA→D)に電流が分かれてC点で合流する。
令和6年度 上期 第三種電気主任技術者 電力 問17(b)
図のような系統構成の三相3線式配電線路があり、開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点、C点、D点には図のとおり負荷が接続されており、各点の負荷電流はB点40A、C点30A、D点60A一定とし、各負荷の力率は100%とする。各区間のこう長はA-B間1.5km、B-S(開閉器)間1.0km、S(開閉器)-C間0.5km、C-D間1.5km、D-A間2.0kmである。ただし、電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし、リアクタンスは無視するものとする。
開閉器Sを投入した場合、開閉器Sを流れる電流iの値[A]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
各区間の電線1線当たり抵抗はR(A-B)=0.2×1.5=0.3Ω、R(B-C, S経由)=0.2×(1.0+0.5)=0.3Ω、R(C-D)=0.2×1.5=0.3Ω、R(D-A)=0.2×2.0=0.4Ω。負荷は電流一定(B=40A、C=30A、D=60A、力率100%)なので、単線等価回路として直流網と同様にキルヒホッフの法則を適用できる(電圧降下は各区間で√3・I・Rに比例するため、電流の分配比自体は√3を含まない単純なIR平衡で決まる)。
未知数をx=I(A→B)とすると、I(A→D)=130-x(合計負荷130A)。B点通過後S経由でCへ向かう電流はI(B→C)=x-40(=i、求める電流)。D点通過後CへはI(D→C)=(130-x)-60=70-x。C点ではI(B→C)+I(D→C)=(x−40)+(70−x)=30となり、これは電流保存から恒等的に成り立つため独立条件にはならない。
独立条件として、閉ループA→B→C→D→Aについて起電力を含まない単純な抵抗網とみなし、一周の電位降下の和がゼロになる関係式を立てる:
0.3x + 0.3(x-40) - 0.3(70-x) - 0.4(130-x) = 0
展開すると 0.3x+0.3x-12-21+0.3x-52+0.4x=0 → 1.3x-85=0 → x=85/1.3≒65.38A。
したがってi=I(B→C)=x-40≒65.38-40=25.38≒25.4A。
検算: I(D→C)=70-65.38=4.62A、I(B→C)+I(D→C)=25.38+4.62=30.0A(C点負荷と一致)。
B側とD側の電流配分は、B・C・D各点の負荷電流と各区間の抵抗による電圧降下の釣合いで決まる。よって(2)25.4が最も近い。
各選択肢の解説
- (1)
20.0
誤り。D-A間を本来の2.0kmではなく1.5km(R=0.3Ω)と取り違えると、誤った閉ループ式1.2x=72からx=60A、i=x−40=20Aとなる。公式条件のD-A間は2.0kmであり、正しくはi≈25.4A。
- (2)
25.4
計算結果i=x-40=85/1.3-40≒25.38≒25.4Aと一致する。正答。
- (3)
27.5
誤り。B-S-C間のうちS-C間0.5kmを落とし、B-S間1.0km分だけを抵抗R=0.2Ωとすると、誤った閉ループ式1.2x=81からx=67.5A、i=27.5Aとなる。正しくはB-S-C間1.5kmでR=0.3Ω。
- (4)
43.8
誤り。i=43.8AならA→Bの電流x=i+40=83.8Aで、公式条件による閉ループ式1.3x−85=0の左辺は約23.94となり電圧降下が釣り合わない。この値を生む単独の読み違いは公式条件から特定できず、根拠ある導出はできない。
- (5)
65.4
65.4Aは、本計算で得たI(A→B)=x≒65.38Aに近い値であるが、これはB点までの電流であってS(B-C間)を流れる電流iそのものではない。設問が問うiと一致しないため誤答。
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