【図2の読み取り】直流負荷線は縦軸 I_C = 3 mA(V_CE = 0)と横軸 V_CE = 5 V(I_C = 0)を結ぶ直線である。V_CE = 0 のとき I_C = V_CC/R_L より、また I_C = 0 のとき V_CE = V_CC より、V_CC = 5 V、R_L = 5 V / 3 mA ≒ 1.67 kΩ となる。
令和6年度 下期 第三種電気主任技術者 理論 問13
図1は、固定バイアス回路を用いた、R_B の値が未知のエミッタ接地トランジスタ増幅回路である。図2は、この増幅回路で用いているトランジスタのコレクタ‐エミッタ間電圧 V_CE とコレクタ電流 I_C との関係を予め調べ示した静特性である。ただし、五つのベース電流の値 I_B [μA] のみに対する曲線であり、増幅回路の負荷抵抗 R_L の負荷線も重ねて示している。今、増幅回路の動作点を測定したところ V_CE = 3.0 V であった。抵抗 R_B の値 [MΩ] として最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、ベース‐エミッタ間電圧 V_BE を 0.7 V としてよい。なお、C₁、C₂ は結合コンデンサであり、V_CC は直流電圧源である。


選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
【動作点】V_CE = 3.0 V のとき、負荷線から I_C = (V_CC − V_CE)/R_L = (5 − 3)/(5/3 kΩ) = 1.2 mA。
補足Layer 3展開閉じる
【ベース電流】静特性の各曲線の I_C は、I_B = 2, 4, 6, 8, 10 μA に対しそれぞれ約 0.5, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5 mA と読め、I_C/I_B ≒ 250 で一定(直流電流増幅率 h_FE ≒ 250)とみなせる。よって I_C = 1.2 mA のとき I_B = 1.2 mA / 250 = 4.8 μA(4 μA と 6 μA の曲線の間に位置し、整合する)。
【R_B】図1の入力側ループ V_CC = R_B・I_B + V_BE より、R_B = (V_CC − V_BE)/I_B = (5 − 0.7) V / 4.8 μA = 4.3 / (4.8×10⁻⁶) ≒ 8.96×10⁵ Ω ≒ 0.9 MΩ。
以上より正答は (2) 0.9。
各選択肢の解説
- (1)
0.5
R_B = 0.5 MΩ とすると I_B = 4.3 V / 0.5 MΩ = 8.6 μA。h_FE ≒ 250 なら I_C ≒ 2.15 mA、V_CE = 5 − 1.67×2.15 ≒ 1.4 V となり、測定された V_CE = 3.0 V と合わない。R_B が小さすぎる。
- (2)
0.9
R_B = 0.9 MΩ とすると I_B = 4.3 V / 0.9 MΩ ≒ 4.8 μA。I_C = 250 × 4.8 μA ≒ 1.2 mA、V_CE = 5 − 1.67×1.2 ≒ 3.0 V となり、測定値と一致する。正しい。
- (3)
1.5
R_B = 1.5 MΩ とすると I_B ≒ 2.87 μA。I_C ≒ 0.72 mA、V_CE = 5 − 1.67×0.72 ≒ 3.8 V となり、3.0 V にならない。R_B が大きすぎる。
- (4)
3.0
R_B=3.0 MΩではI_B≈(5−0.7)/3.0 MΩ≈1.43 μAで,図2の最小の2 μA曲線より小さい。動作点のI_Cは約0.5 mA未満であり,負荷線よりV_CE>5−(5/3)×0.5≈4.2 Vとなるため,測定値3.0 Vではない。
- (5)
6.0
R_B=6.0 MΩではI_B≈(5−0.7)/6.0 MΩ≈0.72 μAで,図2の最小の2 μA曲線より小さい。I_Cは約0.5 mA未満であり,負荷線よりV_CE>約4.2 Vとなるため,測定値3.0 Vではない。
分野「理論」の学習ポイント
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
- 何が問われるか
- 本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
- 学習の進め方
- 正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
- 関連キーワード
- 理論
この問題を AI と深掘りする
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
関連する問題
理論 の他の問題
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 理論 問1図1に示すような,空気を含む二つの誘電体からなる平行平板電極がある。この下部電極を接地し,上部電極に電圧を加えたときの電極間の等電位線の分布を示す断面図として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 ただし,誘電体の導電性及び電極と誘電体の端効果は無視できるものとする…
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 理論 問2空気中に孤立した半径 a [m] の導体球に帯電できる最大の電荷の値 [C] として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし、空気の絶縁耐力及び誘電率はそれぞれ Eₘ [V/m] 及び ε₀ [F/m] とする。
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 理論 問3磁気に関する量とその単位記号(SI基本単位及び組立単位による表し方)の組合せとして、誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 [表] 量 / 単位記号 (1) インダクタンス / Wb/A (2) 磁束 / V/s (3) 磁界の強さ / A/m (4) 磁気抵抗…
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 理論 問4図のように,A,B 2本の平行な直線導体があり,導体Aには1.2Aの,導体Bにはそれと反対方向に3Aの電流が流れている。導体AとBの間隔がl[m]のとき,導体Aより0.3m離れた点Pにおける合成磁界が零になった。lの値[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選…
- 第三種電気主任技術者令和6年度 上期 理論 問5図の直流回路において,抵抗R=10Ωで消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
他年度の「理論」問題
第三種電気主任技術者 の同じ分野を年度をまたいで演習する
第三種電気主任技術者 の学習ガイド
モバイル片手演習でIPA試験の隙間時間を稼ぐ|通勤・昼休み・待ち時間の活用
IPA試験対策をモバイル片手で進めるための具体的な工夫を解説。通勤電車・昼休み・待ち時間で 1 日 30 分を稼ぐためのアプリ設定・演習ルーティンを紹介します。
過去問の誤答ふりかえり3ステップ|浅い見直しで時間を捨てないために
過去問演習で誤答した時に『なぜ間違えたか』を 3 ステップで構造化して見直す手順を解説。原因分類・対策メモ・類題演習で、同じミスを 2 回しない学習設計を紹介します。
過去問演習を分散学習で最適化する|エビングハウスとライトナーシステムの実践
分散学習(spaced repetition)の理論を、IPA過去問演習に落とし込む実践手順を解説。ライトナーシステムの活用、復習タイミングの設計、過去問AIでの自動化方法を紹介します。
AI学習ツールと予備校・通信講座の使い分け|IPA試験の最適な組み合わせ
IPA試験対策はAIツール一択ではなく、予備校・通信講座との使い分けが鍵。それぞれの強み・弱みと、組み合わせるべき学習者のタイプ別パターンを解説します。