まず、力率を遅れ0.6から遅れ0.8へ改善するために系統へ供給すべき正味の進み無効電力Qを、有効電力P=300kWから求める。
令和6年度 上期 第三種電気主任技術者 法規 問12(b)
三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンスX_L[Ω]は、三相コンデンサSCのリアクタンスX_C[Ω]の6%とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、高圧電路の線間電圧は6600Vとし、無効電力によって電圧は変動しないものとする。
進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し、力率を遅れ0.6から遅れ0.8に改善した。このとき、この設備の三相コンデンサSCの容量の値[kvar]として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

選択肢
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cosθ1=0.6のときsinθ1=√(1−0.6²)=0.8なのでtanθ1=0.8/0.6=4/3。cosθ2=0.8のときsinθ2=√(1−0.8²)=0.6なのでtanθ2=0.6/0.8=3/4。よってQ=P(tanθ1−tanθ2)=300×(4/3−3/4)=300×7/12=175[kvar]。次に、この175kvarは進相コンデンサ設備が系統に対して実際に出す正味の無効電力であり、これはコンデンサSCが発生する無効電力Q_Cから、直列リアクトルSRが消費する無効電力Q_Lを差し引いたものに等しい。SRとSCは同一の電流Iが流れる直列回路なので、三相全体ではQ_C=3I²X_C、Q_L=3I²X_L=3I²(0.06X_C)=0.06Q_Cとなり、正味の出力はQ_C−Q_L=Q_C(1−0.06)=0.94Q_Cである。これが175kvarに等しいので、Q_C=175/0.94=186.17…[kvar]。これは選択肢(3)の186に最も近い。
各選択肢の解説
- (1)
170
170 kvarは、力率改善に必要な正味175 kvarよりも小さい。SRが無効電力を消費するためSC単体の容量は正味必要量を上回る。
- (2)
180
180 kvarを0.94倍すると設備の正味出力は169.2 kvarにとどまり、必要な175 kvarに不足する。
- (3)
186
Q_C=P(tanθ1−tanθ2)/(1−X_L/X_C)=300×(4/3−3/4)/0.94=175/0.94=186.17…[kvar]となり、最も近い値であるため正しい。
- (4)
192
192 kvarなら設備の正味進み無効電力は0.94×192=180.48 kvarとなり、必要な175 kvarより約5.48 kvar多い。
- (5)
208
208 kvarなら設備の正味進み無効電力は0.94×208=195.52 kvarとなり、必要な175 kvarを約20.52 kvar上回る。
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