巻数比を a = N₁/N₂ とすると,理想変圧器の関係から V̇₁/V̇₂ = a,İ₁/İ₂ = 1/a が成り立つ。したがって二次電圧を一次側の値として扱うときは V̇₂′ = a・V̇₂(ア = a),二次電流を一次側の値として扱うときは İ₂′ = (1/a)・İ₂(イ = 1/a)となる。
令和6年度 上期 第三種電気主任技術者 機械 問8
次の文章は,単相変圧器の簡易等価回路に関する記述である。
変圧器の電気的な特性を考える場合,等価回路を利用すると都合がよい。また,等価回路は負荷も含めた電気回路として考えると便利であり,特に二次側の諸量を一次側に置き換え,一次側の回路はそのままとした「一次側に換算した簡易等価回路」は広く利用されている。
一次巻線の巻数を N₁,二次巻線の巻数を N₂ とすると,巻数比 a は a = N₁ / N₂ で表され,この a を使用すると二次側諸量の一次側への換算は以下のように表される。
V̇₂′:二次電圧 V̇₂ を一次側に換算したもの V̇₂′ = (ア) ・V̇₂
İ₂′:二次電流 İ₂ を一次側に換算したもの İ₂′ = (イ) ・İ₂
r₂′:二次抵抗 r₂ を一次側に換算したもの r₂′ = (ウ) ・r₂
x₂′:二次漏れリアクタンス x₂ を一次側に換算したもの x₂′ = (エ) ・x₂
Ż_L′:負荷インピーダンス Ż_L を一次側に換算したもの Ż_L′ = (オ) ・Ż_L
ただし,'(ダッシュ)の付いた記号は,二次側諸量を一次側に換算したものとし,'(ダッシュ)のない記号は二次側諸量とする。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
展開閉じる
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
任意の二次側インピーダンス要素Zを流れる電流İ₂に生じる電圧降下Z・İ₂は、一次側換算ではa倍となる。一方、換算電流はİ₂/aだから、換算インピーダンスはZ′=(a・Z・İ₂)/(İ₂/a)=a²Zとなる。この関係は巻線抵抗r₂、漏れリアクタンスx₂、負荷インピーダンスŻ_Lの各要素に適用できる。よって r₂′ = a²・r₂(ウ = a²),x₂′ = a²・x₂(エ = a²),Ż_L′ = a²・Ż_L(オ = a²)。
補足Layer 3展開閉じる
これらを整理すると (ア,イ,ウ,エ,オ) = (a, 1/a, a², a², a²) となり,これは選択肢(4)と一致する。
各選択肢の解説
- (1)
(ア) 1/a (イ) a (ウ) 1/a² (エ) 1/a² (オ) a²
誤り。ア=1/a,イ=aとなっており,電圧換算係数aと電流換算係数1/aが入れ替わっている(正しくはア=a,イ=1/a)。またウ・エが1/a²となっているが,インピーダンス系の換算係数はa²でなければならない(正しくはウ=エ=a²)。オはa²で正しいが,他の項が誤っているため選択肢全体としては不成立。
- (2)
(ア) 1/a (イ) a (ウ) a² (エ) a² (オ) a
誤り。ア=1/a,イ=aとなっており,電圧換算係数と電流換算係数が入れ替わっている(正しくはア=a,イ=1/a)。ウ・エはa²で正しい。しかしオがaとなっており,負荷インピーダンスの換算係数はa²でなければならない(正しくはオ=a²)ため誤り。
- (3)
(ア) a (イ) 1/a (ウ) 1/a² (エ) 1/a² (オ) 1/a²
誤り。ア=a,イ=1/aは正しい。しかしウ・エ・オがいずれも1/a²となっており,抵抗・漏れリアクタンス・負荷インピーダンスの換算係数はZ=V/Iの関係からa²になるはずである(正しくはウ=エ=オ=a²)ため誤り。
- (4)
(ア) a (イ) 1/a (ウ) a² (エ) a² (オ) a²
正しい。V̇₂′=a・V̇₂(ア=a),İ₂′=(1/a)・İ₂(イ=1/a)は理想変圧器の巻数比の定義そのものであり,インピーダンス系(r₂′,x₂′,Ż_L′)はZ=V/Iの関係からa²倍になる(ウ=エ=オ=a²)。すべての項が電磁気的な導出と整合するため,これが公式解答である。
- (5)
(ア) 1/a (イ) a (ウ) 1/a² (エ) 1/a² (オ) 1/a²
誤り。ア=1/a,イ=aとなっており,電圧・電流の換算係数が入れ替わっている(正しくはア=a,イ=1/a)。さらにウ・エ・オがいずれも1/a²となっており,インピーダンス系の換算係数はa²でなければならない(正しくはウ=エ=オ=a²)ため誤り。
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