RL 直列回路に直流電圧 V を加えたときのコイル電流は
i_L(t) = (V/R)·(1 − e^(−t/τ)), τ = L/R
で表される(電圧源の出力抵抗は十分に低いので無視し,コイルは巻線抵抗のない理想インダクタンスとして扱う)。
開放電圧が V [V] で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と,インダクタンスが L [H] のコイルが与えられ,抵抗 R [Ω] が図1のようにスイッチ S を介して接続されている。時刻 t = 0 でスイッチ S を閉じ,コイルの電流 i_L [A] の時間に対する変化を計測して,波形として表す。R = 1 Ω としたところ,波形が図2であったとする。R = 2 Ω であればどのような波形となるか,波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし,選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し,実線は R = 2 Ω のときの波形を表している。


結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
RL 直列回路に直流電圧 V を加えたときのコイル電流は
i_L(t) = (V/R)·(1 − e^(−t/τ)), τ = L/R
で表される(電圧源の出力抵抗は十分に低いので無視し,コイルは巻線抵抗のない理想インダクタンスとして扱う)。
【R = 1 Ω(図2)から V と L を求める】
・最終値が 3 A なので V = R·I∞ = 1 × 3 = 3 V。
・t = 1 s で 2 A なので 3(1 − e^(−1/τ₁)) = 2 → e^(−1/τ₁) = 1/3 → τ₁ = 1/ln3 ≈ 0.91 s。
・L = R·τ₁ ≈ 1 × 0.91 ≈ 0.91 H。
【R = 2 Ω の場合】
・最終値:I∞ = V/R = 3/2 = 1.5 A(R = 1 Ω の半分)。
・時定数:τ₂ = L/2 ≈ 0.46 s(R = 1 Ω の半分)。
・i_L(t) = 1.5(1 − e^(−2t/τ₁)) = 1.5(1 − (1/3)^(2t)) より
t = 1 s:1.5 × (1 − 1/9) ≈ 1.33 A
t = 2 s:1.5 × (1 − 1/81) ≈ 1.48 A
・t = 0 での傾き:di_L/dt = V/L ≈ 3/0.91 ≈ 3.3 A/s。これは R に依存しないため,立ち上がり直後の傾きは R = 1 Ω のときと同じになる。
したがって,「立ち上がり直後は点線と重なり,最終値は半分の 1.5 A,点線より速く(時定数半分で)一定値に落ち着く」波形である(4)が正しい。
(グラフ)実線は t = 0 で 0 A から点線より急に立ち上がり,t = 1 s で約 2.5 A,t = 2 s 付近でほぼ 3 A に達し,以後 3 A で一定となる。
誤り。点線より速く一定値に落ち着く点は合っているが,最終値が 3 A のままである。R = 2 Ω では最終値は V/R = 3/2 = 1.5 A に半減する。また,t = 0 の傾き V/L は R に依存しないのに,実線の立ち上がりの傾きが点線より大きい。
(グラフ)実線は t = 0 で 0 A から点線より緩やかに立ち上がり,t = 1 s で約 1.2 A,t = 2 s で約 1.9 A,t = 3 s で約 2.3 A と,図の範囲内では上昇を続けている。
誤り。最終値が 3 A 方向に向かっており,1.5 A になっていない。また立ち上がりが点線より遅く,時定数が長くなっているが,実際は τ = L/R が半分になるので速く落ち着くはずである。さらに t = 0 の傾き V/L は R に依存しないのに,実線の初期の傾きが点線より小さい。
(グラフ)実線は立ち上がり直後は点線とほぼ重なり,その後ほぼ直線的に上昇して t = 1 s で約 2.6 A に達し,以後は緩やかに約 3 A へ近づく。
誤り。最終値が約 3 A であり,R = 2 Ω での最終値 1.5 A と一致しない。また,t = 1 s までほぼ直線的に上昇する形は,指数関数的に一定値へ近づく RL 回路の電流の形とも異なる。
(グラフ)実線は立ち上がり直後は点線とほぼ重なり,t = 1 s で約 1.3〜1.4 A,t = 2 s 付近で約 1.5 A に達し,以後 1.5 A で一定となる。
正しい。最終値は V/R = 1.5 A,時定数は L/R が半分の約 0.46 s となり,t = 1 s で約 1.33 A,t = 2 s で約 1.48 A と計算値に合う。t = 0 の傾き V/L も R に依存しないため点線と一致して立ち上がる点も合っている。
(グラフ)時間軸は 5 s まで。実線は点線より緩やかに立ち上がり,t = 1 s で約 0.6 A,t = 2 s で約 1.0 A,t = 3 s で約 1.2 A,t = 5 s で約 1.45 A と,約 1.5 A に向かってゆっくり上昇する。
誤り。最終値が約 1.5 A に向かう点は合っているが,立ち上がりが点線よりはるかに遅い。図の読み(t = 2 s で約 1 A)では時定数は約 2/ln3 ≈ 1.8 s となり,R = 1 Ω のときの約 2 倍に相当する。実際は τ = L/R が半分になるので逆である。また t = 0 の傾き V/L が点線と一致していない。
この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり
用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。
理論 の他の問題
第三種電気主任技術者 の同じ分野を年度をまたいで演習する
モバイル片手演習でIPA試験の隙間時間を稼ぐ|通勤・昼休み・待ち時間の活用
IPA試験対策をモバイル片手で進めるための具体的な工夫を解説。通勤電車・昼休み・待ち時間で 1 日 30 分を稼ぐためのアプリ設定・演習ルーティンを紹介します。
過去問の誤答ふりかえり3ステップ|浅い見直しで時間を捨てないために
過去問演習で誤答した時に『なぜ間違えたか』を 3 ステップで構造化して見直す手順を解説。原因分類・対策メモ・類題演習で、同じミスを 2 回しない学習設計を紹介します。
過去問演習を分散学習で最適化する|エビングハウスとライトナーシステムの実践
分散学習(spaced repetition)の理論を、IPA過去問演習に落とし込む実践手順を解説。ライトナーシステムの活用、復習タイミングの設計、過去問AIでの自動化方法を紹介します。
AI学習ツールと予備校・通信講座の使い分け|IPA試験の最適な組み合わせ
IPA試験対策はAIツール一択ではなく、予備校・通信講座との使い分けが鍵。それぞれの強み・弱みと、組み合わせるべき学習者のタイプ別パターンを解説します。