① 渇水量(d = 355 の流量)
Q₃₅₅ = −0.05 × 355 + 25.5 = 7.75 m³/s
有効落差90 m,最大使用水量が渇水量(1年のうち355日は確保できる水量)の2倍,水車及び発電機の総合効率80 %の流込式水力発電所がある。この発電所が利用している河川の流量Q [m³/s] が図のような年間流量曲線(日数dが90日以上の部分は,Q = −0.05d + 25.5 で表される。)であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし,水の密度を1 000 kg/m³,重力加速度を9.8 m/s² とする。
(a) この発電所の年間可能発電電力量の値 [GW·h] として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
① 渇水量(d = 355 の流量)
Q₃₅₅ = −0.05 × 355 + 25.5 = 7.75 m³/s
② 最大使用水量
Qmax = 2 × 7.75 = 15.5 m³/s
③ 河川流量が最大使用水量と等しくなる日数
−0.05d + 25.5 = 15.5 より d = 200 日
図より d < 90 では Q > 21 m³/s なので,0 ≤ d ≤ 200 では河川流量が最大使用水量以上となり,使用水量は 15.5 m³/s で一定。200 ≤ d ≤ 365 では河川流量の全量を使用する。d = 365 の流量は Q = −0.05 × 365 + 25.5 = 7.25 m³/s。
④ 年間使用水量(流量×日数,単位 m³/s·日)
0〜200日:15.5 × 200 = 3 100
200〜365日(台形):(15.5 + 7.25) / 2 × 165 = 1 876.875
合計:4 976.875 m³/s·日
⑤ 発電出力と流量の関係
P = ρgQHη = 1 000 × 9.8 × Q × 90 × 0.8 [W] より,P = 9.8 × 90 × 0.8 × Q = 705.6Q [kW]
⑥ 年間可能発電電力量
W = 705.6 × 4 976.875 × 24 ≈ 8.428 × 10⁷ kW·h ≈ 84.3 GW·h
よって正答は(3)。
47.9
誤り。47.9 GW·h は,渇水量 7.75 m³/s で1年中発電した場合の値(705.6 × 7.75 × 8 760 ≈ 4.79 × 10⁷ kW·h)に一致する。実際の河川流量は d < 355 では渇水量を上回り,特に 0 ≤ d ≤ 200 の200日間は最大使用水量 15.5 m³/s で運転できる。355 < d ≤ 365 の10日間は流量が 7.75 m³/s を下回る(最小 7.25 m³/s)が,その不足分はわずかであり,年間では 47.9 GW·h より大きくなる。
72.8
誤り。72.8 GW·h は,200〜365日の区間の流量を d = 365 の値 7.25 m³/s で一定とみなし(台形ではなく長方形として),年間使用水量を 15.5 × 200 + 7.25 × 165 = 4 296.25 m³/s·日 とした場合の値(705.6 × 4 296.25 × 24 ≈ 7.28 × 10⁷ kW·h)に一致する。実際にはこの区間の流量は 15.5 m³/s から 7.25 m³/s まで直線的に減少するので,台形として (15.5 + 7.25) / 2 × 165 と計算する必要がある。
84.3
正しい。最大使用水量 15.5 m³/s で頭打ちにした年間使用水量 4 976.875 m³/s·日に,705.6 kW/(m³/s) と 24 h/日を掛けると約 84.3 GW·h となる。
94.5
誤り。94.5 GW·h は,最大使用水量 15.5 m³/s で約360日運転した場合の電力量(705.6 × 15.5 × 360 × 24 ≈ 9.45 × 10⁷ kW·h)に相当する。しかし河川流量が最大使用水量以上となるのは d ≤ 200 の200日間だけで,d > 200 では流量が 15.5 m³/s を下回るため,年間可能発電電力量は 84.3 GW·h にとどまる。
97.4
誤り。最大使用水量 15.5 m³/s で1年中発電しても 705.6 × 15.5 × 8 760 ≈ 95.8 GW·h が上限であり,97.4 GW·h はこれを超えるため,この発電所では得られない。
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