【図からの読み取り】I_B = 40 μA の特性曲線は,屈曲点の直後(V_CE ≒ 1.2 V)で I_C ≒ 3.5 mA,V_CE = 6 V で I_C = 4.0 mA,V_CE = 10 V で I_C ≒ 4.4 mA を通る直線状の部分をもつ。V_CE = 6 V では,I_B = 20 μA の曲線が I_C ≒ 2.0 mA,I_B = 60 μA の曲線が I_C ≒ 6.0 mA を通る。
令和7年度 上期 第三種電気主任技術者 理論 問13
図はあるエミッタ接地トランジスタの静特性を示す。この特性より,ベース電流 I_B = 40 μA,コレクタ・エミッタ間の電圧 V_CE = 6 V における電流増幅率 h_fe(又は β)の値及び出力インピーダンス 1/h_oe(又は r₀)の値[Ω]の組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

選択肢
解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
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解説
結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
詳細Layer 2展開閉じる
【電流増幅率 h_fe】h_fe は V_CE 一定でのコレクタ電流変化とベース電流変化の比である。V_CE = 6 V で I_B = 40 μA を中心に 20 μA〜60 μA の範囲をとると,
h_fe = ΔI_C / ΔI_B = {(6.0 − 2.0) × 10⁻³} / {(60 − 20) × 10⁻⁶} = (4.0 × 10⁻³) / (40 × 10⁻⁶) = 100
なお,この動作点での直流比 I_C / I_B = (4.0 × 10⁻³) / (40 × 10⁻⁶) = 100 も同じ値になる。
補足Layer 3展開閉じる
【出力インピーダンス 1/h_oe】h_oe は I_B 一定での出力特性の傾き(出力アドミタンス)である。I_B = 40 μA の直線部分で V_CE = 6 V → 10 V をとると,
h_oe = ΔI_C / ΔV_CE = {(4.4 − 4.0) × 10⁻³} / (10 − 6) = (0.4 × 10⁻³) / 4 = 1.0 × 10⁻⁴ S
1/h_oe = 1 / (1.0 × 10⁻⁴) = 10 000 Ω
(屈曲点の直後 V_CE ≒ 1.2 V から 10 V までで読んでも ΔI_C ≒ 0.9 mA / ΔV_CE ≒ 8.8 V ≒ 1.0 × 10⁻⁴ S となり一致する。)
よって h_fe = 100,1/h_oe = 10 000 Ω の組合せである(2)が正しい。
各選択肢の解説
- (1)
h_fe = 80,1/h_oe = 30 000
誤り。h_fe = 80 なら,V_CE = 6 V で I_B を 20 → 60 μA(ΔI_B = 40 μA)変えたとき ΔI_C = 3.2 mA となるはずだが,図では 2.0 → 6.0 mA で ΔI_C = 4.0 mA であり h_fe = 100 である。また 1/h_oe = 30 000 Ω なら特性の傾きは約 3.3 × 10⁻⁵ S(4 V の変化で約 0.13 mA)となるが,図では V_CE 6 V → 10 V で約 0.4 mA 増加しており 1/h_oe = 10 000 Ω である。両方とも図と合わない。
- (2)
h_fe = 100,1/h_oe = 10 000
正しい。V_CE = 6 V において h_fe = ΔI_C / ΔI_B = (6.0 − 2.0) mA / (60 − 20) μA = 4.0 mA / 40 μA = 100。I_B = 40 μA の曲線の傾きは h_oe = (4.4 − 4.0) mA / (10 − 6) V = 1.0 × 10⁻⁴ S で,1/h_oe = 10 000 Ω。
- (3)
h_fe = 100,1/h_oe = 20 000
誤り。h_fe = 100 は正しいが,1/h_oe = 20 000 Ω なら傾きは 5.0 × 10⁻⁵ S(V_CE 6 V → 10 V で約 0.2 mA の増加)となる。図では約 0.4 mA 増加しており,1/h_oe = 10 000 Ω である。
- (4)
h_fe = 200,1/h_oe = 10 000
誤り。1/h_oe = 10 000 Ω は正しいが,h_fe = 200 なら,V_CE = 6 V で I_B を 20 → 60 μA(ΔI_B = 40 μA)変えたとき ΔI_C = 8.0 mA となるはずである。図では 2.0 → 6.0 mA で ΔI_C = 4.0 mA であり,h_fe = 100 である。
- (5)
h_fe = 200,1/h_oe = 20 000
誤り。h_fe = 200 なら ΔI_B = 40 μA に対して ΔI_C = 8.0 mA となるはずだが,図の V_CE = 6 V では ΔI_C = 4.0 mA で h_fe = 100 である。また 1/h_oe = 20 000 Ω なら傾きは 5.0 × 10⁻⁵ S となるが,図の I_B = 40 μA の曲線の傾きは 1.0 × 10⁻⁴ S(1/h_oe = 10 000 Ω)である。両方とも図と合わない。
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