① 交流側リアクタンス XL を求める。
XL = 2πf·LL = 2π × 50 × 5.56×10⁻⁴ ≒ 314.16 × 5.56×10⁻⁴ ≒ 0.1747 Ω
【共通条件】
次の図は,パワー半導体デバイスとしてダイオードを用いた三相整流装置の回路を示す。
平滑リアクトルのインダクタンス Ld [H] は十分に大きく,直流電流 Id [A] は一定になっているものとする。
交流側にリアクタンス XL [Ω] のリアクトルがあると転流時に重なり角が生じ,直流電圧が降下する。また,ダイオードの順電圧降下 VF [V] によっても直流電圧が降下する。これら以外の電圧降下は無視する。入力交流電圧が VL [V] のときのこの整流装置の出力電圧 Vd [V] は次式で求められる。
Vd = (3√2/π)·VL − (3/π)·XL·Id − 2VF
[図:三相ダイオード整流装置の回路]
この整流装置の入力交流電圧は VL = 200 V,周波数は f = 50 Hz で,直流電流は Id = 36 A である。交流側のリアクトルのインダクタンスは LL = 5.56×10⁻⁴ H で,その抵抗値は平滑リアクトルの抵抗値とともに無視できるものとする。また,各ダイオードの順電圧降下は VF = 1.0 V で一定とする。
【(b)】
出力電圧 Vd の値[V]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成
① 交流側リアクタンス XL を求める。
XL = 2πf·LL = 2π × 50 × 5.56×10⁻⁴ ≒ 314.16 × 5.56×10⁻⁴ ≒ 0.1747 Ω
② 与えられた式の各項を計算する。
・第 1 項:(3√2/π)·VL ≒ 1.3505 × 200 ≒ 270.1 V
・重なり角による降下:(3/π)·XL·Id ≒ 0.9549 × 0.1747 × 36 ≒ 6.00 V
・ダイオードの順電圧降下:2VF = 2 × 1.0 = 2.0 V(三相ブリッジでは直流電流の通電経路に正側と負側のダイオードが直列に入るため 2 個分となる)
③ 出力電圧
Vd ≒ 270.1 − 6.00 − 2.0 ≒ 262.1 V
よって最も近いものは (4) 262 である。
270
誤り。270 V は第 1 項 (3√2/π)·VL ≒ 270.1 V のみの値で,重なり角による降下約 6.0 V とダイオードの順電圧降下 2.0 V が差し引かれていない。
264
誤り。264 V は 270.1 − 6.0 ≒ 264.1 V にあたり,ダイオードの順電圧降下 2VF = 2.0 V が差し引かれていない。
263
誤り。263 V は 270.1 − 6.0 − 1.0 ≒ 263.1 V にあたり,順電圧降下をダイオード 1 個分しか差し引いていない値となる。式では 2VF = 2.0 V を差し引く。
262
正しい。Vd ≒ 270.1 − 6.00 − 2.0 ≒ 262.1 V で,最も近い。
251
誤り。251 V は計算値 262.1 V より約 11 V 低く,与えられた式と数値から得られる値と一致しない。
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