代理権のない者が代理人として結んだ契約(無権代理)の相手方は、契約時に代理権がないことを知らなかった場合、本人が追認するまでの間は契約を取り消すことができます(民法第115条)。
令和7年度 貸金業務取扱主任者 学科 問29
法令基準日: 2025-11-16(この日の制度で解答)
Aは、B所有の甲土地を売却する旨の売買契約を締結しようとしている。この場合に関する次の①~④の記述のうち、民法上、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
選択肢
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したがって③が適切です。①は顕名がない場合の例外、②は代理権消滅後の表見代理の要件、④は双方代理の効果について、それぞれ誤っています。
各選択肢の解説
- (1)
Aは、Bから甲土地の売却について代理権を付与されていたが、Cとの間で、当該代理権に基づく代理行為を行うに際し、Bのためにすることを示さないで甲土地の売買契約を締結した。この場合において、Cが、当該契約を締結するに際し、当該契約がBのためにされたものであることを知っていたときであっても、当該契約はAとCとの間にその効力を生ずる。
不適切。代理人が本人のためにすることを示さずにした意思表示は、原則として代理人自身のためにしたものとみなされます。ただし、相手方が本人のためにすることを知り、または知ることができたときは、本人に対して直接効力を生じます(民法第100条)。Cが知っていた本問では、契約はBとCの間に効力を生じるため、AC間に効力を生じるとする点が誤りです。
- (2)
Aは、Bから甲土地の売却について付与されていた代理権が消滅した後に、その代理権の範囲内において、Bの代理人として、Dとの間で甲土地の売買契約を締結した。この場合において、Dが、当該代理権の消滅の事実を過失により知らなかったときであっても、当該契約は、BとDとの間にその効力を生ずる。
不適切。代理権消滅後の表見代理(民法第112条)が成立するには、相手方が代理権の消滅について善意かつ無過失であることが必要です。Dは過失によって消滅を知らなかったので表見代理は成立せず、Bの追認がない限り、契約はBD間に効力を生じません。
- (3)
Aは、何らの代理権も付与されていないのに、Bの代理人として、Eとの間で甲土地の売買契約を締結した。この場合において、Eは、当該契約締結時に、当該契約を締結することにつきAに代理権がないことを知らなかったときは、Bが追認をしない間は、当該契約を取り消すことができる。
適切。無権代理人が結んだ契約は、本人が追認しない間であれば相手方が取り消すことができます。ただし、契約時に代理人に代理権がないことを相手方が知っていたときは取り消せません(民法第115条)。Eは代理権がないことを知らなかったので、Bが追認するまでは取り消せます。
- (4)
Aは、Bから甲土地の売却について代理権を付与されていた一方で、Fからも甲土地の購入について代理権を付与されていた。この場合において、Aが、B及びFの双方の代理人として、甲土地の売買契約を締結したときは、当該契約はBとFとの間にその効力を生ずる。
不適切。同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為(双方代理)は、代理権を有しない者がした行為とみなされます(民法第108条第1項)。例外は、債務の履行と本人があらかじめ許諾した行為に限られます。本問ではこの例外に当たる事情がないため、当然にBF間に効力を生じるとする点が誤りです。
解説・公式出典について
解説は学習支援用に作成したもので、試験実施機関による公式解説ではありません。 事実誤認・選択肢の取り違え・最新法令の反映漏れ等を含む可能性があるため、 重要な判断は必ずリンク先の公式資料でご確認ください。
最終更新:
出典:一般社団法人日本貸金業協会 令和7年度(第20回)貸金業務取扱主任者資格試験問題(問題・正答)問29。解説は過去問AIの独自作成で、日本貸金業協会とは関係ありません。
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