メインコンテンツへスキップ
第三種電気主任技術者令和6年度 下期法規問 13(a)

令和6年度 下期 第三種電気主任技術者 法規 問13(a)

難度標準

受電電圧6 kV、契約電力500 kWの自家用電気工作物の受電設備がある。「電気設備の技術基準の解釈」に基づき、周波数50 Hzの交流電源を使用して受電設備の高圧電路の絶縁耐力試験を行うとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

ただし、高圧電路の最大使用電圧は6 900 Vとし、3線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は0.2 μFとする。

(a) 絶縁耐力試験における対地充電電流[A]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

選択肢

解説

結論 → 詳細 → 補足 の 3 層構成

展開
結論Layer 1

法規科目の注意書き(注3)によれば、本問は令和6年4月1日現在で効力のある法令(電気設備技術基準の解釈を含む)に基づいて作成されている。

経済産業省が公表している「電気設備の技術基準の解釈」の令和6年10月22日付け改正版(20241022-2.pdf)の改正履歴(第1頁)では、「改正 20231211保局第2号 令和5年12月26日付け」の次の改正が「改正 20241004保局第1号 令和6年10月22日付け」である。同版の附則一覧(第237頁)によれば、20231211保局第2号は令和5年12月26日から、20241004保局第1号は令和6年10月22日から施行されている。したがって、令和6年4月1日時点で効力のある解釈は、令和5年12月26日付け改正版(20231226-2.pdf。改正履歴(第1頁)の最終行が「改正 20231211保局第2号 令和5年12月26日付け」)である。以下の条文・表と頁番号はこの版による。

詳細Layer 2
展開

第15条【高圧又は特別高圧の電路の絶縁性能】は、高圧又は特別高圧の電路(第13条各号に掲げる部分、次条に規定するもの及び直流電車線を除く。)が次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有することを求めている(第24〜25頁)。

・第一号:15-1表に規定する試験電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐えること。

・第二号:電線にケーブルを使用する交流の電路においては、15-1表に規定する試験電圧の2倍の直流電圧を電路と大地との間(多心ケーブルにあっては、心線相互間及び心線と大地との間)に連続して10分間加えたとき、これに耐えること。

本問の高圧電路は、受電電圧6 kVの受電設備の交流の電路で、最大使用電圧は6 900 V(7,000 V以下)である。試験は50 Hzの交流電源で行うので、第二号の直流試験ではなく第一号の試験に当たる。15-1表(第25頁)の「最大使用電圧が7,000 V以下の電路」のうち「交流の電路」の行は「最大使用電圧の1.5倍の交流電圧」である。よって

試験電圧 V = 1.5 × 6 900 = 10 350 V

1.5倍になるのは電路が交流の電路だからであり、試験電源が交流であることは15-1表の行を選ぶ根拠ではない。同表では、最大使用電圧7,000 V以下の直流の電路は「最大使用電圧の1.5倍の直流電圧又は1倍の交流電圧」となる。

補足Layer 3
展開

3線一括した高圧電路と大地との間の静電容量は C = 0.2 μF = 0.2 × 10⁻⁶ F、周波数は f = 50 Hz である。対地充電電流は

I = ωCV = 2πfCV = 2π × 50 × 0.2 × 10⁻⁶ × 10 350

= 6.283 × 10⁻⁵ × 10 350 ≒ 0.650 A

よって最も近いのは (4) 0.65 A。

なお、受電設備に変圧器が含まれる場合、その電路には第16条が適用される(第15条は「次条に規定するもの」を除いている)。第16条の16-1表(第26頁)でも、最大使用電圧が7,000 V以下のものの試験電圧は「最大使用電圧の1.5倍の電圧(500 V未満となる場合は、500 V)」であり、試験方法は※1(試験される巻線と他の巻線、鉄心及び外箱との間に試験電圧を連続して10分間加える)である。この場合も6 900 V × 1.5 = 10 350 Vとなり、結論は変わらない。

(受電電圧6 kV・契約電力500 kWの数値は、この計算には使用しない。)

各選択肢の解説

(1)

0.32

誤り。0.32 A は、正しい計算値 0.650 A の約半分である。0.32 A に対応する試験電圧は 0.32 ÷ (2π × 50 × 0.2 × 10⁻⁶) ≒ 5 090 V で、最大使用電圧 6 900 V の約0.74倍にすぎず、最大使用電圧すら下回る。最大使用電圧7,000 V以下の交流の電路に適用される15-1表の試験電圧(1.5倍の10 350 V)と一致しない。

(2)

0.43

誤り。0.43 A は、試験電圧を最大使用電圧の1倍(6 900 V)として計算した値(2π × 50 × 0.2 × 10⁻⁶ × 6 900 ≒ 0.434 A)に相当する。15-1表で「1倍の交流電圧」が認められているのは、最大使用電圧7,000 V以下の直流の電路である。本問は交流の電路なので1.5倍の交流電圧を用いる。よって不適。

(3)

0.54

誤り。0.54 A は、試験電圧を最大使用電圧の1.25倍(8 625 V)として計算した値(≒ 0.542 A)に相当する。15-1表で1.25倍が現れるのは、最大使用電圧が7,000 Vを超える電路の区分である。具体的には、7,000 Vを超え60,000 V以下の電路のうち「上記以外」(10,500 V未満となる場合は10,500 V)と、60,000 Vを超える電路のうち整流器に接続する以外のものの「中性点非接地式電路」である。最大使用電圧6 900 Vの交流の電路はいずれの区分にも当たらず、1.5倍を用いる。よって不適。

(4)

0.65

正しい。交流の電路で最大使用電圧7,000 V以下なので、15-1表の試験電圧は 1.5 × 6 900 = 10 350 V である。I = 2π × 50 × 0.2 × 10⁻⁶ × 10 350 ≒ 0.650 A となり、選択肢中で最も近い。

(5)

0.71

誤り。0.71 A に対応する試験電圧は 0.71 ÷ (2π × 50 × 0.2 × 10⁻⁶) ≒ 11 300 V(最大使用電圧の約1.64倍)で、15-1表の「1.5倍の交流電圧」と一致しない。計算値 0.650 A より約9 %大きく、0.65 A の方が近い。

この解説は?
AI生成

解説は公式の問題文・公式解答を基に作成しています。 事実誤認・選択肢の取り違え・最新法令の反映漏れ等を含む可能性があるため、 重要な判断は必ずリンク先の公式資料でご確認ください。

最終更新:

出典:令和6年度下期第三種電気主任技術者試験 法規科目 問13(a)。問題文・選択肢を読みやすく整形。

検証プロセス・誤り報告フローは 運営透明性レポートで公開しています。

分野「法規」の学習ポイント

この問題の理解を「分野全体の力」に広げるための足がかり

何が問われるか
本問の分野で問われる代表的な知識・用語の整理。
学習の進め方
正解/誤答の選択肢ごとに「なぜ正しい / なぜ違うのか」を1行ずつ言語化すると定着する。
関連キーワード
法規
この分野の問題をもっと解く
AI コパイロット

この問題を AI と深掘りする

用語解説・選択肢分析・類題生成をその場で対話。クイズモードでは解答→解説がゼロ遷移。

クイズモードで開く

関連する問題

法規 の他の問題

他試験の同テーマ問題

トピック「法規」を扱う他試験区分の過去問

他年度の「法規」問題

第三種電気主任技術者 の同じ分野を年度をまたいで演習する

第三種電気主任技術者 の学習ガイド