正解は3。
令和7年度 10月試験 宅地建物取引士 学科 問10
法令基準日: 2025-04-01(この日の制度で解答)
Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の担保の責任(以下この問において「契約不適合責任」という。)に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅地建物取引業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
選択肢
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売主が契約不適合を知りながら告げなかった事実については、責任を負わない旨の特約をしても責任を免れない(572条)。通知期間の制限(566条)も、売主が悪意のときは適用されない(566条ただし書)。したがってAが宅建業者かどうかにかかわらず、Bは損害賠償を請求でき、結論は変わらない。
各選択肢の解説
- ア
Bは、甲土地の引渡しの日から11年が経過した時点で甲土地の土壌汚染を発見し、発見した時点から1年以内にAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
正しい。担保責任に基づく損害賠償請求権は、権利を行使できる時である引渡しの時から10年で時効消滅する(166条1項2号、最判平13.11.27)。11年経過後は、宅建業者かどうかにかかわらず請求できない(宅建業法40条は時効に関与しない)。
- イ
甲土地の引渡しの日から3年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Bが引渡しの日から4年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かにかかわらず、Bは損害賠償を請求することはできない。
正しい。Aが業者でない場合、通知期間を3年とする特約は572条のもとで有効。Aが業者で、Bが業者でない場合(78条2項)も、引渡しから2年以上の期間を定める特約は宅建業法40条1項で許される。どちらでも4年後の通知では請求できない。
- ウ
甲土地の引渡しの日から1年以内に契約不適合の通知をしなければ売主は契約不適合責任を負わない旨の特約があり、Aは甲土地に土壌汚染があることを売買契約締結時点で知っていて告げていなかった。Bが引渡しの日から3年が経過した時点で当該土壌汚染を発見して直ちにAに通知した場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
誤り(これが正解)。売主が悪意で告げなかった場合、特約は572条により効力を持たず、566条ただし書により通知期間の制限もない。業者かどうかで結論は異なる、とする点が誤り。
- エ
売主は契約不適合責任を一切負わない旨の特約があり、Bは引渡しの日から1年が経過した時点で土壌汚染を発見して直ちにAに通知した。Aが当該土壌汚染があることを重大な過失なく知らなかった場合、Aが宅地建物取引業者であるか否かによって、Bが損害賠償を請求できるか否かの結論が異なる。
正しい。Aが業者でなければ、全部免責の特約は有効(572条)で請求できない。Aが業者(Bは業者でない)なら、その特約は宅建業法40条2項で無効になる。そのため民法の原則により、発見から1年以内に通知したBは請求できる(566条)。結論が異なる。
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