正解は3。
令和6年度 10月試験 宅地建物取引士 学科 問3
法令基準日: 2024-04-01(この日の制度で解答)
甲土地につき、A、B、C、Dの4 人がそれぞれ4 分の1 の共有持分を有していて、A、B、CのいずれもDの所在を知ることができない場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Dの共有持分は、相続財産には属していないものとする。
選択肢
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樹木の栽植・伐採を目的とする山林以外の土地に、期間5年以内の賃借権等を設定することは、共有物の管理行為に当たる。管理行為は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決することができる(民法252条1項・4項2号)。資材置場としての土地の賃貸借は建物所有目的ではないため、借地借家法の適用はない。期間3年は、民法252条4項2号(602条2号と同じ区分)の上限5年以内に収まる。A・B・Cの持分合計は4分の3で、持分価格の過半数である。したがって、Dの所在が不明でも、A・B・C3人の同意でFと賃貸借契約を締結できる。
各選択肢の解説
- ア
甲土地に、その形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加える場合には、共有者の過半数の同意が必要であり、本件ではA、B、C3 人の同意が必要となる。
選択肢1:誤り。形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えるには、他の共有者全員の同意が必要である(民法251条1項)。過半数では足りない。共有者の所在を知ることができない場合は、共有者の請求により、裁判所が「所在不明共有者以外の共有者の同意で変更を加えることができる」旨の裁判をすることができる(同条2項)。この裁判がない限り、A・B・C3人の同意だけでは変更できない。
- イ
甲土地の所有 権の登記名義人となっている者が所有者ではないEである場合、持分に基づいてEに対して登記の抹消を求めるためには、所在が判明しているA、B、Cのうち2 人の同意が必要である。
選択肢2:誤り。所有者でないEが所有権の登記名義人となっている不実の登記について、共有者は持分に基づき、単独で抹消を請求できる。これは保存行為であり、各共有者が単独でできる(民法252条5項)。判例も、実体上の権利を有しないのに登記を経由している者に対し、共有者の一人が単独で抹消登記手続を請求できるとしている(最判平成15年7月11日)。他の共有者2人の同意は不要である。
- ウ
A、B、C3 人の同意があれば、甲土地を資材置場として賃借したいFとの間で期間を3年とする賃貸借契約を締結することができる。
選択肢3:正しい。樹木の栽植・伐採を目的とする山林以外の土地の賃借権等は、期間5年以内であれば管理行為となり、持分価格の過半数で設定できる(民法252条1項・4項2号。期間区分は602条2号と同じ)。期間3年の資材置場用の土地賃貸借はこれに当たり、建物所有目的ではないので借地借家法の適用もない。A・B・Cの持分は合計4分の3で過半数となるため、3人の同意で締結できる。
- エ
Aが裁判所に請求して、裁判所がDの持分をAに取得させる旨の決定をした場合、Dは、その決定から3年以内に限り、Aが取得したDの共有持分の時価相当額をAに対して支払うよう請求することができる。
選択肢4:誤り。裁判所の決定によりAが所在等不明共有者Dの持分を取得したとき、Dは、Aに対して取得持分の時価相当額の支払を請求できる(民法262条の2第1項・4項)。民法はこの請求について「決定から3年以内に限り」という期間制限を設けていない。
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